プロローグ・苦味の朝。
向日葵はひまわりと呼びます。
午前9時。
蝉の鳴き声で目を覚ました。
体を起こそうと思ったが、夏の暑さのだるさで体が動こうとはしなかった。
仕方なく、自分の右側に置いてあるタバコとライターを手にとった。
中の一本取り出してそれを口にくわえ、ライターで火をつけた。
いつもと変わらない味。もう何年吸っているだろか。
今となっては自分にとっては欠かせないものとなっていた。
フゥー、とため息交じりの煙を吐きだす。
すると、ズキズキと頭に激しい頭痛が襲ってきた。
まぁ無理もないか。
でも、もうこの頭痛にも慣れはじめているころだ。
もう結構吸っているもんな。
この味も。
そしてまた再びタバコを口にくわえた。
体が重い。
今日はこのままずっと寝ていようか。
しかし今日は夜からバイトをいれているんだった。
でも、この状態じゃバイトもろくにできないだろう。
仲間に頼んで今日は休ませてもらおう。
あとでメールでもすればいいか。
そう思い、もう一度寝直そうとしたその時だったんだ。
アイツ、向日葵に会ったのは。