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笑うな!
「笑うな!」
ちょっと怒ったように言う あなた
「あ、ごめん」
気を悪くした、かな?
「あ、いや別に。まあ笑ってるほうが似合うっつーか。可愛いっつーか。まあいいか・・・」
照れたように呟くあなたに
つい また笑ってしまう
「だから笑うなって!」
「だって・・・。言ってること矛盾してるよ、慧ちゃん」
「それもそうか・・って、慧ちゃんって」
あなたは驚いたように あたしを見つめた
「だってさっき、呼び方何がいい?“宮藤くん?”“慧太くん?”って訊いたら、“なんでも好きにしろ!”って言ったじゃない」
「だからって・・・」
「いや?」
「別に・・・ああもう何でも勝手にしてくれ!」
あなたは向こうを向いてしまったけど
つないでいる手は 離さない
ううん
ちょっとだけ さっきより強く握ってる、かな?
ああ、もう・・・
やだ 笑いがとまんない・・・
あなたは 振り向く
「だから、笑うなってば!!」