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表示されなくなったものについて

作者:Log_A
最終エピソード掲載日:2026/01/10
この社会では、
あらゆるものが正しく機能している。

選択肢は最適化され、
不要な迷いは取り除かれ、
誰も困らない日常が静かに維持されている。

主人公は、その裏側で働く削除判定員。
消すのではない。
ただ、「表示しない」と判断するだけの仕事だ。

使われなくなった言葉。
遠回りの道。
目的のない散歩。
理由のない質問。

それらは危険でも、禁止でも、間違いでもない。
ただ、もう必要とされなくなっただけだった。

物語は、新人として配属された主人公が、
10年をかけて中堅へと成長していく過程を描く。
仕事は効率化され、判断は簡潔になり、
日常はますます穏やかになっていく。

誰も反乱を起こさない。
誰も悲鳴を上げない。
世界は最後まで正常だ。

それでも、
読み進めるうちに、
ひとつの事実が浮かび上がってくる。

――この10年で、
何が表示されなくなったのかを。

本作は、
「問題が起きなかった未来」を記録する
静かなディストピア連作短編である。

特筆すべき問題は、確認されていない。
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