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魔力無し異端令嬢は学園生活を楽しみたかった・・・  作者: 酒杯樽
学園とアルラウネ
7/10

5話 学友会

すごくお久しぶりです。カクヨムの方とリアルのほうが落ち着いてきたので、こちらも投稿していきたいと思います。

明後日から林間合宿が始まる。明日は休みが入るが今日は特別日程で授業がある。なんて鬼畜なんだ!なんて私は言わない。なぜなら・・・


「アルラウネさん、言っているでしょう?物質の落下する速度は物によって違うと。」

「いいえ!落下する速度はどんな物質だろうと一律して落下します。重力魔法がかかっていない、かつ同高度、空気抵抗の発生しない環境であれば灰だろうと鉄だろうと落下時間は同値になります。」

「貴方は最高神様の作られた法則を否定するのですか!?」

「魔力を持たない私に信じる神なんて居ません。信じるのは先人と私の実体験から論理的に導き出した公式唯一です。」


学園の選択科目の一つである神学。私は科学感覚で取っているこの科目の先生と私は息が合わない。だから私は毎時間この先生と殴り合う。何なら殴り合う時間が結構楽しかったり。正直今日だってこの授業がなかったら王宮に遊びに行ってたりしてただろう。


「空気抵抗によって落下速度に差異があるように錯覚するだけで実際は同じ落下速度です。」

「あのですねぇ。空気に抵抗などありません。そもそも重さのないものには抵抗なんて存在しないでしょう?」

「風ってどんな仕組みかご存知ですかぁ〜?」


煽る私、キレる先生。冷やかす生徒、どちらが勝つか賭けを始める生徒。他の授業はみんな真面目に受けるにも関わらず神学だけはみんな巫山戯ている。正直特進クラスの神学は完全に意味を成していない。怒る優等生ちゃんは居ないのか?私が優等生ですが、なにか?


「もう良いです!じゃあ今日の授業は終わります!」


先生が出ていく。「緑髪の勝ち〜」みたいな声が聞こえ、教室がざわつき始める。これがいつもの神学だ。・・・ちなみに来年度からの神学が無くなったのはこの時の私達はまだ知らない。そして、まだ知らない私は・・・


「さーて。余った時間で化学やりまーす!前回何処まで行ったっけ?」

「アルラウネせんせーい!前回放射性同位体までやりましたー。」


と、神学を否定するように化学を始めるのだった。




 そして午後、私は魔法学基礎の時間を休み(『魔法が使えない人は受ける意味ないでしょう』と強制的に追い出されたのほうが正しい)、学長室に来ていた。学長の他にいるのは担任である教頭と、学友会のウィリアム第二王子、そして同じく学友会に所属する、アルト・ライン・ゼノヴィアがいた。


「来たか。さて、何についての話か検討はついているな?アルラウネ嬢」

「・・・アルト様がいる時点で察せます。学長様は国王陛下と知り合いでもありましたからね・・・」


言葉をこぼす私の声は沈んでいた。数日前に暗殺した貴族の子息と一緒にいるのだ。申し訳無さが募る。


「・・・はあ。いつものアルラウネ嬢は何処に行ったんですか?」

「・・・・そう言われても・・・・」

「はあ。・・・これでは私が感謝しても伝わらないですね」

「え?」


アルトのその言葉に、私は困惑した。実の父を暗殺した人物に感謝?意味がわからない。罵倒したり、蔑んだり、憎しみをぶつけたり・・・普通はそうするはずだもの。感謝などは以ての外。そう思う私に、あるとは衝撃の言葉を発した。


「父の暗殺を、国王に依頼したのは私だったんですよ。父がずっと違法なことを知っていたのは分かっていたんですが、父が家内で一番権力を持っているのでどうしても罰せられなかったんです。」

「・・・そう・・・だったんですね。・・・でも、それだけでは私に感謝する必要はないのですが?」


自分でもわかるぐらいに、声のよどみが消えた。多分、アルトに恨まれていないと分かって心持ちが軽くなったからだろう。


「私は・・・妾の子なんです。私以外の兄弟姉妹も皆。正室はもともと父との婚約を拒んでいたのですが、無理矢理既成事実を作らされて結婚したんです。それで、ストレスが原因で子供を産めなくなってしまい・・・」

「ショールスは妾を拾ってきては子供を作っていたと。」

「はい・・・。なので、父の暗殺は他家内全員からの望みだったんです。特に・・・正室からは・・・」

「だから・・・感謝なんだね」


アルトの言葉に納得した私は、心の霧が晴れた様にすっきりしていた。救えたものがあったのだと実感できたから。


「でも・・・だとしても、感謝の言葉はいりません。私のしていることは、決して許されるものではないのですから」


その私の言葉で、この話は終わり、そして学長が次の本題を話しはじめた。


「では、次の話なんだが・・・今年度の林間合宿は全学年共通で騎士科組、魔法科組に分かれて行うのは周知だと思うのだが」

「そうですね。あ・・・あ~。わかりました。お受けしましょう。」


林間学校の分かれ方から、なんとなく私は言われることを理解した。


「・・・ちなみに、何を頼もうとしたのか、その予想は?」

「林間合宿中の学友会の護衛ですよね。ウィリアム様の立ち上げた学友会は知識量では全生徒の中で飛び抜けて高いメンバー達です。ですが反面、戦闘になった時、極めて弱い者たちの集まりでもある。極めつけは騎士科組に入れても魔法組に入れてもお荷物になる始末。だから、私に林間合宿中の学友会護衛を任せたいと。」

「そうだな・・・ウィリアム王子からはまた異なるように聞いているが・・・」

「異なるよう・・・とは?」

「アルラウネ嬢に学友会に入ってもらいたい」


ウィリアムのその言葉に、私が固まった。学友会に入る?何故に?学友会は男のみじゃないの?試験あるんだよね?と、そんなことを考えていたらウィリアムが心を読んだように言葉を続けた。


「別に女が入ったらいけないとかはない。男女ともに知識があるなら歓迎している。試験に関しては貴方なら余裕だろうものだから大丈夫だ。」

「そうですか・・・なら、入らせていただきましょう。林間合宿の間は、学友会とともに行動します。先生方も、それで構いませんね?」

「ああ。」

「ええ。」


そうして、私の学友会入りと護衛任務の件が決まり、林間合宿が幕を開けるのだった。

ちなみに学友会は学園公認の知識人サークルで、高難度のテストを突破する必要はありますが、その恩恵はかなり大きいものになります。まずは絶対に選択が必要な騎士科、魔法科の選択義務無し、要するに戦闘系に入らなくても良くなります。そして推薦制度。4年次に学友会に所属している場合、宮廷閣僚への就職に推薦状が付きます。そして、出席義務と定期試験が見なし満点となります。他にも研究に際して援助金が出たり、学費一部肩代わりなどがありますがアルラウネはどちらにしても恩恵がありません。

学友会の試験にはまず、バッチを3つ以上所持していることと、学園長からの許可証が必要になります。・・・そしてまずこの時点で8割の生徒は落とされます。そしてアルラウネは入学成績や領政の状況から免除になりましたが、参加試験の難易度は日本で言うところの難関国公立クラスとなります。

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