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魔力無し異端令嬢は学園生活を楽しみたかった・・・  作者: 酒杯樽
学園とアルラウネ
4/10

2話 私は異端だから・・・

あれから4日。()()をしっかりと終わらせ、ある程度余裕のある状態で入学式を迎えた。正直、式に関しては特に何があると言うわけではなかった。私が宣誓で前に出たときにバッチの多さに新入生が、ベネーデの名前に上級生がかなりざわついただけである。うん、それだけである。決して氷柱が飛んできたとかそんなことはない。いくら自分が氷属性で妹が首席なんておかしいと思ってもお姉さまはそんなことする人ではない。それは私自身重々承知している。

 そして今はそんな入学式が終わり、各教室でのホームルームだった。担任はまさかの4日前のあの先生。まさかの教頭でもあった。学院でのルールや教育カリキュラムなど説明を受け、2週間後に林間合宿があると聞かされた。


「おっと、ここまでのようですね。次の時間は自己紹介をして解散となります。」


先生が教室から出ていって流れ解散となった。各々席を立ち、周りの人と話している。普通に日本の学校と同じ感じだ。私の回りにも何人か令嬢令息が集まってきている。よくも悪くも、首席は目立つのだ。いろんな質問が飛んでくる中で一つ一つ丁寧に返していく。ふと、教室の外を見ると1人、見慣れた上級生が立っていた。「失礼、少し席を外します」と断りを入れ、その人のところに向かう。


「・・・8年ぶりになりますか?お久し振りですね、ベレッタお姉様。」

「・・・なんで?」

「なんで?とは?」

「なんであなたが首席なのよっ!!」


いきなりの怒声に教室内の全員がこちらを向く。私も少し体が跳ねた。


「何か、私が首席を取って不都合なことでもありましたか?」

「私とミカエルは下方クラスなのよ!?なのに・・・なんで異端の落ちこぼれのあなたが首席なんて取れるのよ!どんな不正をしたのよ!?」

「・・・不正も何もしていませんよ。努力して勝ち取った結果がこれです。」

「なによ!次女の魔力無しの分際で!」


入学初日の妹に見せる態度じゃないと思うのですが。はあ、これはベネーデの令嬢ってだけで色々言われそうだな・・・


「もうよろしいですか?私にもやることはありますから」

「っ!・・・覚えてなさいよ!」


吐き捨てるように言って立ち去っていった。私も自分の席に戻ろうと体の向きを変えた。


「・・・無能はどっちだっての。金と権力にしか目がないし父上の娘かと疑うくらい頭悪いし。見下してばかりで社会上れると思うなよ脳内ピンクが」

「・・・アルラウネ様?全て言葉に出ておりますが・・・」

「あ・・・すいません」


思ったことをそのまま垂れ流す貴族失格の口になっていたみたいだ。とりあえずそそくさと自分の席に戻った。タイミング良く予鈴がなり、先生が入ってくる。私の方を見ていた生徒もそそくさと自分の席についた。


「じゃあ、まずは主席からどうぞ」

「あ、はい。・・・運良く主席が取れました。ベネツィア・ベネーデの娘が1人、アルラウネ・ベネーデです。身内の対してだけは口が悪くなるので私が貴族らしくない言葉を吐いている時はまた姉妹でなにかあったと思ってください。先程ので皆さん分かったと思いますが3学年下方クラスに居る兄ミカエルと姉ベレッタには極力近づかないことをお勧めします。絡まれた際は私の悪口言って切り抜けてください。・・・もう一つ、私は魔力を一切持たない異端者なので扱いは皆さんが異端者にする扱いで構いません。紹介は以上です。」

「・・・で、では次・・・」


私の自己紹介以外は普通の貴族と変わらない。クラスの人数は合計で18人。あっという間に終わり今日は解散となった。先生がさっさと出ていったあと、私の周りにはかなりの人だかりができていた。


「アルラウネ様、その・・・本当なのですか?先程の魔力の話。」

「ええ。本当に空なんですよ。私の魔力は。」

「そうですか・・・」

「まあ、そのお陰で生まれるメリットデメリットはありますが」

「そうなのですか?例えばどんな?」

「そうですね、メリットは催眠や幻惑、錯乱などの状態異常系の魔法の影響を受けないことですね。あれらは対象者の内包魔力に作用しますから、その魔力がない人には作用しないんですよ。・・・これに関しては回復魔法が効かないというデメリットでもありますね。・・・デメリットは・・・異端扱いされるってのが一番ですね。」


どれだけ努力しても異端は認められづらい。まだこの世界には能力で人を取る人が少ない。だからこそ異端は蔑まれる。

私は異端だから・・・そう言って自分を納得させることは今までも多々あった。領内や国王陛下、宰相以外で私を認めてくれる人は少ない。その寂しい気持ちを紛らわせる魔法の言葉


「私は異端だから・・・」


小さく呟いたその言葉を、聞き逃した人物は誰一人として居なかった。

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