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魔力無し異端令嬢は学園生活を楽しみたかった・・・  作者: 酒杯樽
学園とアルラウネ
3/10

1話 入学準備

快適な自動車で2時間、乗り心地の悪い馬車で5時間。王都に着いたときには既に下半身が悲鳴を上げていた。発展しすぎて転生した実感が沸かなくなってきた公爵領に対し、王都や他の王国領は14〜15世紀の中世ヨーロッパ風世界。流石に電気モーターの自動車なんてオーバーテクノロジー以外何者でもない。領外の使用は禁じさせている。

今日は一旦、壊れそうな下半身を休め、明日の朝に学院へ向かうことにした。


 翌日早朝、私は1人で春季休業中の貴族学院に来ていた。4日後には入学式が控えている。学年主席の私は式で新入生宣誓を担当するのでその確認とその他入学前に済ましておくことなどだった。


「新入生の挨拶については以前提出してもらったもので大丈夫でしょう。少し今までの慣習にはそれますが十分宣誓としては良いものでしょう。」

「ありがとうございます。また何かご不明な点がございましたら指定住所までご連絡下さい。」

「分かりました。それでは次にバッジの贈呈とさせて頂きます。」


バッジはこの学院内での順位指標となる。各学問で優秀な成績を収めたり、学院に対する貢献の割合に応じて授与される。新入生は入学試験において主席を取った者がが2つ、各学問において最高得点のものが1つ授与される。私が勝ち取ったバッジは主席の2つ、魔法魔術を除いた学問(算学、言語、芸術、専門(経理)、専門(法)、戦闘(剣術)、戦闘(槍術)、戦闘(弓術))の8つ。合わせて10個。例年は4つあれば主席として優秀と

言われ、4年後の卒業までには優秀性は〜10まで伸びるという。あれ?私って・・・


「入学試験だけで10個取られた方は貴方が始めてですよ。しかし・・・」

「流石に10も表につけるのは不味そうですね。戦闘系の3つと専門(法)は裏側に付けます。・・・6つもなかなか注目されそうですが、まあ許容範囲なのではないでしょうか・・・」

「そうですね・・・」


ジャケットの表側に6個、裏側に4個。着ているのが野戦服に近い色合いの軍服ワンピースなのでかなり将校っぽさが出る。というより完全に前線将校に見える。普段着ないため着慣れていないドレスに変わるものでチョイスしたが間違いだったかもしれない。ちなみに私の家であるベネーデ公爵家は代々軍務を担当しており、表家紋は赤に銀縁の剣。裏家紋はそれが髑髏に突き刺さっている。家紋のバッジも裏表両方貰ってはいるのだがどちらをつけたとしても「失礼、どこの軍人ですか?」となってしまう為、表ではあまり付けない。(裏家紋なんて普通にサイコパス以外の何物でもない)


「受けてないだけで、魔法部門でも取れたのではないですか?」

「あー、私が10億分の1の確率の持ち主って言えば分かります?」

「・・・・なるほど!私達戦闘術担当の教師にとっての心強い味方ですね。戦闘術担当には話を通しておきますね」

「・・・ありがたいです」


メガネ長身でどちらかと言うと博識系の先生かなと思ったらバリバリの戦闘系だったことに驚いたのは内緒だ。・・・軍服ワンピースでなければ、いやそうだとしても武闘派には見えないのに、戦闘術で1位を勝ち取った私が言うことではないのだが。


「では、入学式当日はバッジ6つをつけた状態で来てください。服装に制限はありません。」

「分かりました。それではこれで失礼します」

「・・・・・・随分、上2人とは違うのですね。」


上2人・・・いやいや、まさかそこまで悪評が立っているわけ・・・無いといい切れないのが2人だ。


「ちなみに、2人がやらかしたことは何でしょうか。お伺いしても?」

「まずはミカエル様から。定期考査において毎度自身の得点に不正があると言ってきております。ある程度優秀な成績の剣術においては自身の剣術と同じ型を取らない生徒に『次期軍務大臣』と、権力を盾に同じ型を強要したりなどが入学当初から見受けられます。あとは講義の無断欠席ですね」

「あのバカッ!!・・・ベレッタの方は・・・」

「ミカエル様同様講義の無断欠席が多いですね。あと一年前の第一王子ドレイク様との婚約がなされてからは他の令嬢への嫌がらせがひどいですね。特にネリア・ゴレアス伯爵令嬢様に対する嫌がらせがひどいと。」

「あのバカッ!!!!」


頭痛がひどくなってくる。思わず頭を抱えてしまった。ちなみにゴレアス伯爵家とは私個人として親交があり、ネリア嬢とはよくお茶会をする仲である。まさか自分をいじめてくる人の妹と仲良くしてくれてるとは。ネリア嬢に頭が上がらなくなる。


「なんとかあと2年間の内に彼奴等を学院から追い出しますので。それまで今しばらく耐えてください。・・・本当申し訳ないです。」

「いえいえ、お気になさらず。また何かあったら話し相手になりますよ。」

「ありがとうございます。それでは、私はこれで。」


正直、これからがものすごく不安になってしまった。王都2日目はひどい頭痛によってさっさとダウンしてしまったのであった。

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