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3/5

足へにゃん

「才色兼備のお嬢様だからかしら」


「いやいやいや、まてまて。

お前は誰とお見合いすんのか聞かされてたわけだろ?違うか?

断れよ、俺のこと嫌いなんだろ!!

ふつーは!お見合いって、初顔合わせで

やるもんだろ?」


「そうね。誰とお見合いするのか、聞かされてたわよ」


「だろ?俺は聞かされてなかったから、

その、こんなことになっちまってて。

大体、お前が断んないから!俺とこんなとこで面と向かう羽目になった、そうだろ?」


「そうね」


「で。生徒会長選は結局、俺負けたけど。

一票差で負けたんだけど。

ずっと気になってたから今、ここで答えてもらうけど。おまえはどっちに入れたんだよ?

俺と藤島くん、どっちに一票を投じたよ?」


「...それなんだけど。

正直言っちゃうと...」


「正直言っちゃうと...なんだよ。

ためんなよ。ためずに言えよ」


「...藤島くん」


「あー、そーかよ。やっぱりか!!

お前は幼馴染である、俺を応援せずに。

藤島くんに票を入れたんだな!

つまり、俺のこと嫌いだから、俺と付き合いたくないから、藤島くんを生徒会長に押した、と!」




「...それなんだけど」


「違うの。この、その、えっと。

今日のお見合いが全てを物語っているっていうか...」


幼馴染の、真島マヒロが急にモジモジし始めた。


頬を赤く染めて。


何だか様子がおかしい。


「髪の毛も美容師さんに頼んでアップにしてもらったじゃない?このお着物だって、お給料を頑張って貯金に回して買っちゃったの。

メイクだって、これ、私がやったんじゃなくて、有名なメイクアップアーティストに頼んでやってもらったんだけど...」


「ふーん...」


「ふーん...って!シンジ!素っ気な!!

もっとこう、みちがえるね、とか、可愛いね?とか、ないわけ???」


「みちがえるね。かわいいね...。

これでいいのか?」


「その言い方、気持ちが入ってないっ」


「ふ、ふつー、なんとも思ってない相手に、

こんな気合い入れないでしょ??

シンジだって、気のない相手とのお見合いだったなら、適当なカッコしていくでしょ??

つまりね...その...」


「...じゃあ、なんで、生徒会長、

俺にしなかったの??」


「...それは、勿論、一緒に帰れなくなると

思ってさ...」


「シンジが、生徒会長になっちゃったらさ、

生徒会の仕事で忙しくなっちゃうから、

私とは帰れなくなるからさ。。で、

藤島くんに生徒会長になってもらったの。

藤島くんのことは好きっていうより、その、、異性としての憧れ...ね。

シンジは適当に小学校生活エンジョイしてたじゃん?だから、その、藤島くんみたいに

勉強とか頑張ってもらいたくて、、、

だから、藤島くんのことが好きって断ってしまったの...」


「...それってもしかしてもしかすると、、

俺のこと、実は...」


「もしかしてもしかするわね...」


「好き...??」


ふたりして同時に。

そんな言葉が出て。綺麗にハモった。


「なんだよ。好きなら、好きって

学生時代に素直に言えばよかったじゃんか」


「...言えなかったの!その言葉、なかなか言えなかったの。なんか気付いたら30歳になっちゃったの!」


「シンジがお見合いしようとしてること、

シンジのお母さんが、私のママに話してくれて、それ聞いて、

大急ぎ、今日のこのお見合い、セッティングしてもらったの!!」


ガクッ。


力が抜けた。


俺がはぁ。とため息をつくと。


マヒロのやつも、足をへにゃんと崩した。



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