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お見合いになんでお前が来るんだよっ!

「あれは小学5年生の時だった。

俺は中庭の銅像の前にお前を呼び出し、

お昼休みに告白した...。それなのに」


「あー、小5?そんなこともあったかもしれないわね」


「「私、学校一のイケメンで学級委員で、次期、生徒会長候補である藤島くんが好きなの。だからシンジとは付き合えない。てかね、中学受験が控えてるのに今、告るとかバカじゃない??」ってお前は言ったよな?」


「....うーん。言ったような気もするし、

言ってないような気もするわ」


「俺はその後。滅茶苦茶努力した。

学校一のイケメン秀才である藤島くんを追いかけるべく、髪型とか清潔感とか気を遣って、そんで勉強もがんばった。それで、

生徒会長に推薦されるまでになった」


「そうね。頑張ったことは認めるわね」


「恐ろしい闘いだった。藤島くんは

滅茶苦茶、人望厚くて、女子にモテモテ。

小六のとき、クラスは全部で四クラスあって、俺を含めて四人の候補者がいたんだ」


「いたわね」


「全校生徒の票は割れたが、


俺と藤島くん以外の生徒会長候補のやつらはそんなに

票が集まらなかった。だが。

俺と藤島くんは同じ票数、500票を獲得し、

ついにふたりして決選投票することになったろ?」


「そうね。確か、一騎討ちになったわね」


「で、お前はどっちに入れたんだよ?

今、ここで教えろ。そんなに私と付き合いたかったら、生徒会長になってみせなさいって

言ったろ?あの日、中庭で」


「うーん。確かに言ったわね。

私と恋人同士になりたかったら。

生徒会長になってから告白しなさいと

言ったわね。小学五年生の私は」


「で、お前は俺と、藤島くん、

どっちに入れたんだよ?」


「それは、今、言わなきゃいけないこと?

折角の懐石料理、冷めちゃうわよ?

高級料亭の個室を借りて、お互いの親には

席を外してもらってる今、ここで答えなきゃいけないわけ?」


「あー、そうだ。答えなきゃいけねぇだろ。

大体、なんで、あの日、俺のこと振ったお前がここにいるよ?どーして、

俺なんかとお見合いしてるよ?」


「....さぁ?」


「さぁ?ってそりゃねぇだろ。

俺は、今、30。もういい年なんだから真剣に家庭を持って

身を固めたいんだよ。何でお前と好き好んで見合いをしなきゃいけなくなってんだよ?」


母親が持ってきた縁談だった。

「才色兼備のお嬢様よ」

などと言われて写真とかは見せられぬまま、

気合を入れてスーツを着て来たのに。


「お前が来るとか!?なんで!?」


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