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ミナミヘ セイラ ~第3の眼の覚醒~  作者: 楠本 茶茶(クスモト サティ)
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第1部分 雷撃

 前作「ミナミヘ ススメ」のスピンオフ的作品。(筆者がセイラを好きになっていまして…)

巨大な某国の悪巧わるだくみを、非力な少女がどこまで阻止できるかを先の見通し無く思い付きで書き上げようと言うなんとも無謀な作品である。


 ただし本当に非力だと勝負にならないので、「サラドン」と「カナタ」と「第3の眼」の力をセイラに付与する。

 おっとここから先はまだ考えておりません。


お時間のある方はどうぞよろしくお付き合い願います。

評価、感想、ブックマークや誤字指摘など等随時歓迎、お待ちしております。


第1部分 雷撃


《しれとこ》のマストごしの空を数羽の海鳥が舞い飛んでいる。

船の周囲を数十頭のイルカが囲み、左側には巨大なクジラが並走している。


 不意に《しれとこ》がなぜか面舵、つまり右に進路を変えようとして航跡が曲がり始めていた。

手すりにしがみ付きながら、南戸ミナミヘ 星良セイラは目をキラキラと輝かせてその光景に見入っている。


 そのセイラをもっと上のデッキから密かに見ている少年がいた。


 少年の名を南戸ミナミへ 彼方カナタという。

ふたりは2か月違いの兄妹だが、互いの血縁関係はない。セイラは母の連れ子として、カナタは父の連れ子として南戸ミナミヘ一家の一員になっているのだ。

 しかし単なる中学1年生の兄妹というワケでもない。ただいま二人は相思相愛の仲で、本当は今も寄り添っていたい気持ちなのだ。しかしこの船は砕氷船、いわゆる南極観測船でありいわば公共の場。ここでべたべたといちゃつくのはまかりならんと両親にキツく釘を刺されている。

 仕方なくカナタはやや遠目からセイラの姿に見惚みとれているところなのだ。


 ふとカナタの目が何かの違和感を感じた。


「なんだ、ヘリコプターか… こんなところで何してるんだろ?」

ふたたびセイラを見ようとした目が、こちらにまっすぐ走ってくる白く間近な航跡を見つけてしまった。


「あっ!」

思慮よりも速く身体が反応していた。上の階から一気に飛び降り、セイラに向かって走りながらわめいた。


「セイラっ!」


 セイラは驚いた。今も考え続けていた愛しい人の声が聞こえて思わず振り返ったところで、当のカナタに抱き締められそのまま甲板に転がされたのである。


「伏せろセイラ、魚雷だ!」


 やっとその意味がわかってうなずいたとき、セイラの身体はカナタの下にあり、カナタの腕は近くの構造物の取っ手をしっかりと握っていて、既に身動きが出来なくなっていた。


 その瞬間凄まじい衝撃と音があり巨大な水飛沫みずしぶきが上がった。身体を硬くしたその次の瞬間にはもっと激しい衝撃と音が続いて… それきりセイラの記憶が途切れた。


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