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アーツ・ホルダー  作者: 字理 四宵 
何もかもが変わった日
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何もかもが変わった日 その5

「白い大人が、実在していたとは……それも、何もかもが変わった日の付近に目撃されていたとは、興味深いです」

「そういえば、ちょっとした疑問なんですが」


僕が手を挙げる。


「どうしました? レイル君」

「何もかもが変わった日という名前なんですが、今の弓精の話を聞いていると、世界の変化は急激なものではないような気がします。それなのに、『日』という言葉が使われているのは、どこか違和感があります」

「あぁ、そうか。レイル君は帝国のことを知らないんですね」

「帝国……さっき、話しの中で少し出てきましたね」

「ええ。帝国は、複数の国家をまとめた国のことです。今の時代には帝国と呼べる国はありませんが、昔は大きな帝国があったんですよ」

「あったとは……」

「考えているとおりです。帝国の中で起きた呪いの爆発で、帝国は一夜にして滅びました。超高濃度の呪いが吹き出した結果、人々は逃げる暇もなく息絶えたようです。今でも、当時の人達が暮らしていたままになっているそうです」

「そんなことが……」

「何もかもが変わった日が起きてから、帝国の中から呪いが拡散し切るまで、数年かかったそうです。今でも遺跡は部分的に高濃度に汚染されているということで、許可がなければ立ち入りが禁止されています」

「被呪特区ですか」

「ああ。よく知っていますね」

「僕の故郷も……変異呪種が発生して、今では立入禁止になっています」

「ああ、そうですか……」


変異呪種などが発生した土地は、特に高濃度な呪いが存在する可能性が疑われるということで、被呪特区として隔離される。


「爆心地……といっていいのかわかりませんが、呪いの発生した場所は何かの研究所のようなところだったらしいです。どんな研究をしていたのか、今となっては不明ですが」

「研究が失敗したのでしょうか」

「あるいは、成功したのか……」


僕は、ハッと息を呑んだ。


「さっき言っていた、悪意のあるというのは……」

「ええ。研究所については、死体が少なかったとか色々と噂があります。とにかく、呪いはおそらく人為的に発現しうるものだというのはわかっています。我々は、その謎を追っているのです」

「うむ……確かに、呪いには色々と研究がされているのう」

「あ、すみません。弓精の話を途中で遮ってしまいましたね」


サさんと僕は、慌てて謝る。


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