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緑の丘の人魚姫  作者: はちがね
第1章 ラミィ、さらわれる
8/48

8.ウ=ス異本

 他には……何かないかな……

 ん?宝箱の底を、ずらせる?……あ、外れた。二重底ってやつ?冒険家の本で読んだ。

 すごい、まるで本の冒険譚みたい!中には……なんか薄い本がある。

 ん、あんまり風化が進んでないね。これなら読めそう。

「どれどれ……?エーロ=ドゥージーン?描いた人の名前かな?」

 表紙はやたら目の大きいデフォルメされた女の子が描かれてる。絵、上手いなぁ。

 中を開いてみると……私は興味本位で開いてしまったことを後悔した。

 私はばたんと本を閉じて元の場所にバンと戻した。

「はわわわ……あぁぅうぅ……」

 な、何、あれは……あんまりの内容に、顔が熱くなって、心臓がどきどきしてる。深呼吸、深呼吸……

 なんなのよ、あれ……人間の男の人って、あんなに乱暴なの?

 し、しかも、あの触手を持ったおぞましい生物が、地上には居るというの?

 こ、怖い、地上怖い。いつか地上に行ってみたい、って思ってたけど、考えを改めなきゃダメかしら……

 ま、まあ、それはそれとして、他にも絵画とかあったけど、風化しててもう価値はなさそうね。

 他にももう一つ部屋はあったけど。ここと同じような感じ。

 持って帰れそうなのは宝石をいくつかかな。他のものはちょっと、持って泳ぐにはダメそうだし。

 さて、成果もあったことだしそろそろ帰ろうかな、もうそろそろ一週間たっちゃうし。

 そうして、船を出たところで、くぅ、とお腹が鳴った。

「あぅぅ、お腹すいた……」

 そういえば、無理に陸上で動いたもんなぁ。イクラも全部食べちゃったし……

「……ん?なんかいい匂いが……」

 ふと見上げると、目の前に美味しそうなエビが漂っていた。

「わーい、ラッキー。」

 パクッと口の中に入れて噛むと、口いっぱいに広がるプリッとした甘みと、奥歯にガッキリ引っかかる異物感が……え?


良い子のみんなは、目の前で漂っている食べ物なぞ食べないように。

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