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大都市カザン

 カザンに辿り着くまでに野盗の他にも何度もモンスターに襲われたせいで、リースのレベルは10になっていた。


 レベルが上がるのが早いなと思ったがそれは、ニナや神様は全く戦闘力にならなかったため、全てリースが戦っていたのも原因である。


 カザンの門をくぐと、そこら中で屋台や出店が営まれており、活気に湧いているのが目に飛び込んできた。


「ここが私が拠点にしている街です。どうですか、すごい活気でしょう?」


「うん、すごい」


 馬を門近くの駅に返して街を歩く。


「ニナ、ここを拠点にしているなら、この街に図書館があるか知っているか?」


「はい、もちろんですよ、神様。このカザンはこの辺では一番大きな街なんですもの」


「それでは、街一番の図書館に連れて行ってもらえないか?」


「はい、すぐにでも案内します。でも疲れとかないですか?」


「いや、大丈夫だ。すぐに行きたいのだ」


「わかりました。図書館は街の中央にあるんです。あちらです」


「それでは、リースさん。夕方にまたこの場所で落ち合おう」


「うん。それじゃあ、また」


 神様はニナに案内されて行ってしまうと、リースは武具屋巡りを始めた。


 武具屋には剣だけでなく、槍や弓矢、ボウガン、魔法杖なども売られていた。


「おじさん、この店で一番、性能がいい武器はなんですか?」


 お金はたっぷりあるので、そこは気にする必要がないから、性能だけも求めた。


「お嬢ちゃん、予算はどれくらいだい?」


 道すがら、野盗やモンスターを倒してきたが大したアイテムドロップはなかった。


 野盗からは現金が得られたが5イェンだった。


 一人につき1イェンなのかもしれない。


 馬の借り賃を引いて、現在の所持金は699999840.4イェンである。


 相変わらず、7億近い金が残っている。


 全く減っている気がしない。


 大金はあるが、そのことは伝えないことにした。


 ぼったくられるのがオチだし、下手すると噂になって強盗殺人の被害者にだってなりうるのだ。


「うーん、まずはモノを見てから考えようと思っていて」


「そうかい? ところででっかい剣を背負っているようだけれど、剣がいいのかい?」


「あ、はい。できれば剣で」


 弓矢やボウガン、魔法杖にも惹かれたが、矢を使うものは弾切れが怖いし、矢を沢山持ち歩かないといけないので億劫だし、魔法はそもそも自分が使えるのか分かっていないから、やめておいた。


 それで槍よりは剣のほうがかっこいいな、という理由で今後も使い慣れた剣を買うことにしたのだ。


「これなんかどうだい? 攻撃力はお嬢さんが使っている鋼鉄の剣の5倍、それに加えて使い手のスピードも2倍にする補正効果付きで、400イェン」


 400イェンは日本円に換算して100万円だ。


 この世界では、武器の価格はすごい値段がするらしい。


「すごい価格ですね……。売れるんですか?」


「そりゃあそんなに買う人はいないがね、商人や農家は絶対に買わないよ。

 軍人か、狩人か、あとは旅人くらいしか買わないわけだから、薄利多売とはいかないんだよ。

 お嬢ちゃんにも高いよね。

 もっと安いの紹介しようか?」


「ああ、いえ、結構です。あとでまた来るかも。それじゃあ」


 リースはその後もいくつも武具屋を見て回った。


 400イェンでも所持金699999840.4イェンがあればなんてことはない。


 とにかく性能のよい剣を探して回った。


 夕方。


 結局、攻撃力は鋼鉄の剣の5倍、補正効果はHPアップやスピードアップなどの効果がひとつついているもので、最高額は500イェンだった。


 神様とニナと合流したあと、3人は街の食堂に入った。


「ああ、もっといい剣どこかにないかなあ」


 リースはスパゲッティを突きながら、机に肘をついてボヤいた。


「剣を探してたんですか?」


「うん。この剣じゃ物足りなくって」


 背中の両手剣を指し言った。


「でもその剣、結構、高価なものですよね?」


 確かに鋼鉄の剣は100イェンしたし、カナス村で売っていたものでは最も高いものだった。


 それに宿代や食事代と比較すれば比べ物にならない価格だ。


「まあ、そうかもしれないけれど」


 でも鋼鉄の剣って名前がもう普通すぎてツマラナイ。


「そういえば、ニナは商人だよね? 剣は扱っていないの?」


「私はこの街と周辺の村を行き来して、服の素材を仕入れたり、衣類を売ったりしているんです。

 武具関係はまったくです。あ、リースさん、もしお金があるのでしたら」


 スパゲッティをくるくる巻きながらニナは続ける。


「鍛冶を職業としている方のところを訪ねてはどうですか?

 オーダーメイドなのでかなり高価ですけど、腕のいい職人さんならお金を出せば出すだけ良いものを作ってくれますよ?」


「ニナ、その人どこにいるのか知ってる?」


「はい、案内しましょうか?」


「お願い」


 3人分の食費で2イェン、宿泊費4イェンでこれもなぜかリースが全部出すことになり、14イェン消費した。


 所持金は、699999826.4イェンになった。

 

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