スープハンバーグ4
「お待たせしました。」
私の声を聞いてディーンさんはとても嬉しそうな顔で、待ってました!と答えた。
私は鉄で出来た器に入ったスープハンバーグをテーブルに置いた。
「お口に合うか分かりませんが、私の出せる最高のハンバーグのつもりです。」
「お口に合わないわけがないよ、この見た目!
香りは嗅いだことがないな、これは君の国独特のスープかい?」
「スープって言われると少し違うんですが、これは私の国ではすき焼きと言われてますね。それを牛骨ガラスープで割って薄めに仕上げています。」
「まぁ、とにかく凄く美味しそうだよこれは!早速食べてもいいかい?」
「はい!暑いうちに食べてしまいましょう。
いただきます。」
そういって私は手を合わせた。
「あ、それ君のお父さんもしてたお祈りだ。
不思議だったんで覚えてるよ」
「私の国では殆どの人がこうしますよ。因みに食後にはもう一度手を合わせて『ごちそうさまでした』と言うんです。」
「なるぼと、素敵なお祈りだね。
では、『いただきます』」
不慣れな手つきで手を合わせるとディーンさんはようやくナイフとフォークを手に取った。
そしてそのまままずはスープを一口。
自信があるとはいえ、やはり反応は気になる。
私は固唾を飲んでディーンさんの反応をじっと見た。
ディーンさんは一口スープを飲むと、「ん」「これは」「そんなことが」など囁きながら言った。
「こんな炭水化物を欲する味初めてだ!!」
と叫びにも似た声を出した。
その後も何やら興奮気味に話ていたが、
「とりあえず主役のハンバーグも食べてみて下さいね。」
と言った。
「あ、あぁそうだね。ではこちらも、、」
そういってハンバーグもナイフで切り口に運んだ。
その瞬間、ディーンさんの顔が一目で分かる驚愕の顔へと変わった。
「美味すぎる!このハンバーグとスープの相性、さらには半熟たまごとの奇跡的ともいえるマッチング。牛肉とたまごの組み合わせとして最高峰と言ってもいいくらいだ!」
興奮気味にそうまくし立てるディーンさんに愛想笑いを浮かべながら、私も一口食べた。
うん、美味しい。肉肉しいハンバーグも良いけどこれも違った美味しさがあるなぁやっぱし。
ディーンさんの反応にも嬉しくなった私はその後もドンドンスープハンバーグを口にしていった。
贅沢言うなら、米があれば最高なんだけどなぁ。
そんな風に思いながら、2人して後はひたすら無我夢中になってスープハンバーグを食べていった。
美味しく作れてよかったなー。