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スープハンバーグ2

私たちは店に帰ると、まずはお互い部屋に入り眠ることとした。

完全に昼夜逆転してしまっているが仕方ない。

疲れもあったのか今回はすんなりと眠りにつくことが出来た。






目が覚めると外はもう夕焼けに包まれていた。

まぁあの時間に帰ってきたらそうなるか。

ディーンさんはまだ寝てるかな?

私はソッと一階へと降りると厨房を見回した。

まだ居ないところを見ると、どうやらディーンさんはまだ寝てるらしい。

良かった、今日はディーンさんより早く起きられた。


さぁ、ディーンさんが起きてくる前に仕込みだけでも終わらせよう。

昨日はあのあと、夕飯の材料は買っておいた。

といっても買うものはひき肉と玉ねぎ、後は付き合わせのニンジンとブロッコリーくらいのものだったけど。

後は大体店にある。


私が今から作るのはスープハンバーグだ。

ただし、ただのスープハンバーグではない。

普通のものを作っても今朝のインパクトには勝てないだろうから。


さ、ディーンさんを何とかして驚かしてやろう。

私はディーンさんを起こさないようにそっと厨房の扉を閉めた。



















ここからディーン視点





明晰夢とゆうやつだろうか?

これが夢だと言うのはなんとなく分かる。

桜がいて、命の恩人がいて、その家族もいて。

皆で食卓を囲んでいる。

決して叶わない夢だからこそ、幸せに感じられないのだろうな、、、、






ハッとして目が覚めた。

外を見ると太陽は沈み時計の針は8時を告げていた。

なんてことだ、やらかしてしまった。

僕は急いで服を着替えると一階で顔を洗おうとした。

一階へと降りる階段で、嗅いだことのない匂いに気付いた。

なんだろう?

厨房の扉が閉まっている。


僕はそっと扉を開いて中を覗いた。

あれ、誰もいない。

おかしいな、桜が夕飯を作ってくれてるんじゃないのかな。


まぁとりあえず寝起きのこの頭ではどうしようもないし、顔でも洗うか。

僕は洗面台へと向かい扉を開けた。


そこに桜はいた。

ただし、あまり良い状況では無いなこれは。

やってしまったというやつだ。

最悪のタイミングだったのだろう。


そこにいた桜は一糸まとわぬ姿でこちらを驚いた顔で見ていた。


「ご、ごめんよ桜!こんなつもりじゃ、、」

急いで扉を閉め、扉越しにそう謝った。







ここから桜視点





時刻は少し戻り午後19時。


ようやく夕飯の仕込みが終わりハンバーグのタネを寝かす行程へと入っている。

後はこのまま少し待てば完成だ。


あ、そういえば昨日はあのあとお風呂に入ってなかったな。

この間に入ってしまおう。


私は一度自分の部屋に戻り、着替えを取るとお風呂場へと向かった。

ここのお風呂場は一階の角にあり厨房の隣に位置している。

客席からは分からないようにしているのだろう。


そうして、お風呂場へと行き、服を脱ぐとお風呂へと入った。

少しゆっくり入らせてもらおう。

奴隷の時では考えられないこの幸せ、私はお風呂が大好きなのだ。

奴隷のときは、お風呂は汚い男と入るかそれ以外は水を被るだけだった。

あぁ、ダメだダメだ。

こおゆうのは思いださないようにしなくちゃと思っていたんだった。



そして、ゆっくりとお風呂に入りながら自分の体をボーッと眺めた。

商品としての価値が下がるためと、目に見える傷は少ない。

といっても鞭の後や打撲傷も無いわけではないのだが。


辛気くさいことばかりしか考えられなくなってきたので、もう出よう。

さぁ、私の料理でディーンさんを驚かせてあげよう!

そう思い私は浴室の扉を開いた。

その時、数秒たってから何故か向かいの扉も開いた。

そして、寝起きであろう、ディーンさんの顔が次に表れた。


こんな驚かせ方を望んでいたわけじゃない!!

なにより私の方が驚いた!



別に男の人に裸を見られること事態には何の抵抗ももはやない。

ただ、何故だろう。ディーンさんにみられるのはお父さんに見られるような恥ずかしさがあるな。


扉の向こうでディーンさんが何かを言っているがよく分からないくらいに私の頭も混乱している。

だが、ここで私が何も反応しないとディーンさんは罪悪感に苛まれるだろう。

「だ、だいじょうぶです。ごめんなさい。」

何がごめんなさいなのかよく分からないがとりあえず出た言葉がこれだった。


私はとりあえず服を着ると扉を開けた。

出来るだけ普通にしよう。

私は出来る限り平然を装ってディーンさんに大丈夫だと伝えた。

ディーンさんは何回も何回も謝ってきているが。


まぁ時間が解決するだろう。

なんて気楽な事を考えていた。

この何とも言い難い空気も料理を食べれば晴れるだろう。


「もう全然平気ですよ。 そんなことより、夕飯はいつでも出来ますよ。どうします?」


ディーンさんはホッとしたような顔をしたあと、「そうかい、良かった。申し訳ないけど、まだお腹は減っていないからもう少ししてからにしても良いかい?先に明日から店を空けるからその準備をしても良いかい?」


そおいうと、私たちは一旦店から出ると買い出しへと向かう事とした

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