ドライクリーニング
使い切って、からっからで、かっすかすな感じが飛んで行く。
水気が抜けて、ため息一つで。
二酸化炭素と、煤と、燐と、硫黄と。
最後に、少しの水が、もう一度駆け抜けて。
やり切った、って空気が、独りでに後ろの方に置いてけぼりを。
まだまだ前に行かなきゃ、やる事をただ進めなきゃ。
疲れ切った頭に揮発性の液体を流し込んで、どうにかこうにか火をつけて。
一歩だけ、足を前に台したら、良い進歩じゃないか。
ぬかっていようが、斜めだろうが。
右足だろうが左足だろうが。
一歩は一歩。
手をついたって、転んだって。
一歩だけは、進んでいる。
それでも、体はかっすかす。
高度8,000mの空気みたい。
少しだけ湿ったって。
すぐに乾いて飛んでくよ。
選んだよ?




