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短編・詩 全般

ここにあるものが全部、紛い物だったとして

作者: 些稚 絃羽

ここにあるものが全部、紛い物だったとして

それが分かったからってなんだっていうんだ



生きていくのに必要なもの、そうじゃないもの

そうやって天秤にかけてさ

必要なものだけ集めて、周りを固めて

これで安心って笑ってんだ

それもいいよね

不自由なく生きていけそうさ



生きていくのに必要なもの、そうじゃないもの

そうやって天秤にかけてさ

そうじゃないって捨てられた方ばかり拾って

愉快だ愉快って笑ってんだ

それもいいよね

悩みなく生きていけそうさ



ここにあるものが全部、紛い物だったとして

それが分かったからってなんだっていうんだ



生きていくのに必要なもの、そうじゃないもの

天秤になんてかけないさ

どっちも均等に取って、集めて、くっつけて

これが僕だって笑うんだ

それもいいでしょ

山も谷も糧になりそうさ



生きていくのに必要か、そうじゃないか

そんな事どうでもいいんだよ

コインも小石もそこにあるだけなら価値は一緒さ

これがそうだって笑うんだ

それもいいでしょ

良いも悪いも僕のものさ



ここにあるものが全部、紛い物だったとして

それが分かったからってなんだっていうんだ

それでもいいよ

あれもこれも全部僕さ

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