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パレードへの道


その美貌に教室全員の視線が注がれる。

まさに容姿端麗であって、不思議なオーラみたいのを醸し出している。

私は思った、この子は周りの子達と何かが違う、そして、さっきの意味深な言葉が頭の隅で引っかかっていた。

凍り付いた世界をゆっくりと溶け始める。

担任の白羽先生の大きな拍手で我にかえる。

「みんなー、星海 遊さんだ! 仲良くしてやってくれよ!」

パチパチパチパチ…

拍手が終わると星海は軽く会釈をして、自分の席へ歩いて行った。

そして、白羽先生の視線が私に移ると、少しムッとした顔をして、「夢咲! 遅刻だぞ!」と出席簿で頭を叩かれた。

そして、自分の席へ向った。

隣は空席だったため、星海が座っていた。

「今日からヨロシクね! 夢咲 結美さん。」

笑ったその笑みには何故か親近感と恐怖を感じた。





授業もやっと、四時限目を終えて昼食である。

クラスのあちらこちらでやっと終わったぁーなどと言いながら、仲の良い者同士で席をくっ付けている。

そんないつもと何ら代わり映えのない光景を観ながら自分も昼食の支度をする。

いつも誰かと昼食を取るわけでわないが、私はいつも昼食の際には独りだ。

クラスではぶられてるわけではないのだが、 かといって別段、それ程仲の良い友達がいないのも事実である。

すると突然一人の少女が席をくっ付けてきた。席を付けてきたのは誰かとその方向を向くと、転校生の星海がいた。

星海のいきなりの行動にただ唖然と星海を見てしまう。

星海は笑いながら、「一緒に昼食いいですか?」と話しかけてきた。

私はただ頷くことしか出来なかった。



昼食を食べ終えて一息ついていると、クスクスッっと星海が笑っていた。

何か面白いことがあったの?っと聞くと、いいえ 何もと返すだけで少しの間星海はクスクスッと笑い続けていた。

すると、星海の顔がいきなりの豹変して別人になったかの如く、さっきまでの雰囲気とは別のものとなっている。

星海は、「あなた、パレードについて何やら詮索しているみたいね。あれについては触れない方が身のためよ。」と表面上は笑っているが、声が笑ってはないかった。

これは忠告と言うより命令口調なのが少し感に障った。

「なんで、星海さんにそんな事言われなきゃならないの?」

少し怒り口調で問い返すと、星海の顔は真剣そのものになり、「あなたの為を思っていってるのよ。 あなたがパレードについて知れば知るほど、あなたは……。」

星海の言葉が詰まった。

その時、私は分かっていたのかもしれない、それなのに知らないふりをしていたのだと思う。

「星海さん…? 私がどうかなっちゃうの?」と恐る恐る聞いてみると。

星海はゆっくりと、そしてはっきりと「あなた死ぬのよ。」

全身に電流が流れた。



愕然とした。

自分が死ぬ?そんな事あり得るわけがないのだ。

「例のパレード」の事で何で死ななくてはならないのだ。私は星海の言っていることが訳がわからなかった。

すると彼女は一枚の紙切れを私の目の前に差し出してきた。

「何この紙?」

「そこにパレードが行なわれる場所が書いてあるわ、あなたが死ぬ覚悟があるならそこに行きなさい。 もう二度とこの生活には戻ることすら出来ない。」

そう言うと彼女は席を離して、次の時限の準備を始めた。

パレードとは、何なのか一層謎に包まれていく。

私は学校が終わり帰りに紙切れを開いてみた。

「11:11 ×××ビルの最上階の非常口」

紙切れには場所というより、そこへ行けというような指示が書いてあった。

私は星海の言葉など所詮嘘なのだと、鷹をくくっていた。

十一時になり親の目を盗んで私は家を出た。そして、一分前に最上階への非常口の前に立った。

時は既に遅かったのかもしれない、彼女の忠告に従っていればあんな事にはならずに済んだのだろうか?

いや、済まなかっただろう。

どちらにせよ、私がパレードの事を知った時点で運命は動き出していたのだろう。

この時の私は期待に胸を膨らませて、心躍る気持ちだった。

死など怖くなどなかった。

そして、ついに私は開けてはならない扉を開けてしまった。

物語は着々と終わりへ向かい始めている。

しかし、ここからが物語の始まりなのかもしれない。

扉の先には希望か絶望、どちらが待ち受けていようと、私は進むのだ。

パレードを観にいく為に何としても。

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