※その他
最後までお読みくださった皆様ありがとうございました。
虎太郎とフィーリア(旧フィーグレイス)の一場面です
さらっと流す感じですが、よろしければ、どうぞ<(_ _)>
(お年頃になった、フィーリスと虎太郎はこんな感じです)
「ねぇ、虎太郎さんは………。ううん、なんでもない」
何か言いかけてやめるフィーリスに、虎太郎は手に持った業務連絡の手紙に目を落としたままテーブルに置かれたカップに手を伸ばし、何気ない風に口を開く。
「そういえば、フィー。今日、近所の若造に告白されてたね」
「なっ!? み、見て……っ!?」
動揺する彼女に、手紙から顔を上げた虎太郎の視線がヒタリと合わさる。
紫色の瞳が揺れてきれいだ。
カップを戻し、手紙もテーブルに放り、彼女へと手を伸ばす。
もう簡単に抱っこできるようなサイズではない。だけど、彼は好んで彼女を膝に置く。
青年姿の虎太郎の膝に、美女がちょこんと乗る。その小さな頤を、虎太郎はそっと指先で持ち上げ、顔を上げさせ、目を合わせる。
「つ……っ! ど、してっ、どうして、わたくしに優しくするの? わたくしは……っ、罪を犯したものなのにっ」
刷毛で書いたように美しい眉根がキュッと寄り、苦しげに吐きだされる。
「やっぱり、覚えていたんだね? フィー、君の過去が君を苦しめるなら、ソレを忘れさせる薬をボクは持っているけど、飲む?」
甘い声音で、虎太郎がささやく。
フィーリスは辛そうに首を横に振った。
「わ、わたくしは……っ、あの娘たちの献身を忘れるわけにはいかないっ。わたくしの罪から逃げることは……っ」
自分の暴走で失った二人のメイドを、彼女は今も想っている。
「逃げてもいいんだよ。ボクが責任を持ってあげる」
甘言を重ねる男に、彼女の吐息が震える。
頬を骨ばった男らしい手のひらに挟まれ、瞳を合わされる。
「わたくしは…っ、魅了を使えるのよ? 今だって、貴方を魅了しているかもしれないのよっ」
紫の瞳を揺らしながら、言い募る彼女を、虎太郎は熱の篭った瞳で見返した。
「問題ないよ。ただし、君が魅了を掛けるのは、これから先、ボクだけだ。いいね?」
否定も肯定もする隙も無く、唇がふさがれ……―――
エロを書く元気が無いので、このぐらいで!




