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虹色魔石の生産者 EX  作者: こる.


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34/50

34.起床

 なんていうか、よーく寝てすっきりしました!

 久しぶりに思いっきり寝て、本当にすっきりさっぱりした。


 ベッドで伸びをして、太陽の光りがサンサンと降り注ぐ部屋。

 えーと、どこだっけ、ここ。



 くたびれてはいるけど、服は着てるし。

 だけど、なんか、顔がガサガサするし、歯も磨きたい……。


 誰も居ない部屋で、大きく伸びをして、ベッドを降りる。

 それで、ここはどこだっけ。


 窓の外を見れば……高いな。

 そうか、城か?

 あー、そうそう、誘拐されて、なんだかんだであの部屋に連れて行かれて、あーあの人に会ったんだなぁ。


 なんて言ったっけ? なんか、長い名前のおばさん。

 ………名前、思い出せないけどまぁいいか。

 この隣の部屋に連れて来られてからの記憶が曖昧だけど、きっと眠かったからだろう。

 

 それにしても、静かね……。

 この時間なら何かしら音が聞こえてもおかしくないのに。

 それに、誘拐されたのになんで、こんなに待遇がいいの?

 大きくは無いが、ふかふかしている高そうなベッドから足を下ろす。



 あのおばさんは、私の魔石を欲しがってたんだよね、確か。

 中間管理職っぽい魔術師の人も、魔石を欲しがってたし。

 ああそうだ、おばさん、確か、うちの両親の事聞きだそうとしてたね、故郷の場所とか、色々。

 そういえば、なんで私あんなにあの人に心を許しちゃってたんだろう……。


 あの綺麗な色の目を見てから……だったっけ?


 ゾワゾワゾワ っと、悪寒が背中を走った。



 そそそそ、そうかっ! そうかぁ…っ。

 あれだ、目を見ろって言われたの、催眠術的な何かだったのかぁ。

 怖いよぅ……。



 あっ! そうだ、ノースラァトさん! ノースラァトさんと連絡、取れるかな!


 慌てて自分の左の手のひらを見る。

 あれ? なんだか、色が薄くなってる?


 一抹の不安を感じながらも、ノースラァトさんに思いを馳せて声を掛けるが、うんともすんとも応答がない。


 ほら、あれよね、向こうもこっちに意識を向けてないと駄目みたいだし。

 四六時中、私の事を考えててなんておこがましい事は願えないし。

 もう少し時間がたってから、また声を掛けてみよう。


 不安に胸が押しつぶされそうなのを深呼吸してやり過ごし、今できそうな事を探してみる。



 ここから逃げれないかな。


 足音を立てないように注意しながらドアに近づく。

 暫くドアに耳を付けて外の様子を伺ったけれど、どうも人の居る気配はない。

 確かこの向こうは、衣裳部屋だったよね。

 ゴクリ、と唾を飲み込んで、ドアノブに手を掛け、ゆっくりとそれを動か……ない。

 鍵穴は無いけど鍵を掛けられてるんだろうか?

 それとも、何かでつっかえてるとか。

 どっちにしても、この出入り口は使えない、もうひとつの脱出口は窓だけど、ここ、高いんだよね……。

 窓を開いて見回す。

 外壁には装飾のための凹凸はあるけれど、フリークライマーではない私には無理だ。


 がっくりして、ベッドに戻る。


 手元にあの懐中電話(懐中電灯+携帯電話)があれば、マコトさんと連絡を取ることができるのに。

 懐中電話はとっくに取り上げられて……あ、そういえば。





 懐中電話の中に、虹色魔石、入れっぱなしだ。


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