07 最後に
スーパーのベーカリー。
如何でしたか?
冷凍生地や材料の箱は重いし、天板自体も重い。
午前中はずっと動き回るし、上下運動しっぱなしです。
朝は早いし、夏は窯とフライヤー、機器類の熱で厨房は灼熱。
気力と体力が試されます。
それでも、お客様に「これ、美味しいから好き」と言われると、やはり嬉しいものです。
の、ですが。
小麦粉や材料費が高騰して、数年前ベーカリーは撤退しました。
惣菜よりも売上はあったそうです。
ですが、スーパーに惣菜が無いのはあり得ないことです。
「貴方がたは誇りに思って下さい」
そう言われましたが、撤退は撤退です。
私たちは他の部署に配属されました。
そしてその後、店舗は閉店しました。
閉店作業はそうそう経験できないので、大変面白かったです。
あちこち解体して、きゃっきゃ楽しみました。
まあ、無職になったんですけども。
最後に、お願いがあります。
ベーカリーに大量に注文する際は、出来れば一週間くらい前にはお話を頂けると助かります。
生産数は統計を出して発注しています。
廃棄を少なくする為に余剰分を出さない様にしています。
発注から納品まで一週間程かかる業者さんもあります。
タイミングによっては品が揃わなかったり、注文を受けたものを優先すると、売り場に出せる数が足りなくなってしまいます。
ですので、出来る限りお店側は対応しようとするでしょうが、出来ないと言われる事もあるかも知れません。
そこはご了承頂きたいです。
そして、「今売り場に数が少ないから、すぐ焼いてくれ」と、注文を受ける事もあります。
ですが、前回までのお話を読んでいただいた皆様はお分かりかと思います。
冷凍生地はそんなに早く解凍しませんし、発酵もしません。
何時間かいただく事になります。
発酵のいらないものでも、解凍、成型、焼成と少なくとも一時間は必要です。
もちろんこれは、自分がいた弱小ベーカリーの話ですので、大型店では違うかも知れません。
もし少しでもお気遣いいただけるなら、時間的な余裕をお持ちになってくださると大変有り難く思います。
「いらっしゃいませ、こんにちは」
お客様に美味しく召し上がっていただくのが一番。
ベーカリーの中の人はきっとそう思っているはずです。
「ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております」
最後までお読みいただき、心より御礼申し上げます。
これでベーカリーの裏側の話はおしまいです。
離れて数年、今は少し改善しているかもしれません。
してないかもしれません。
大変な毎日でしたが、楽しい8年間でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
素敵なパンライフを。




