魔法属性って奥が深い!?女神さま、私にもワンチャンください
初めての授業は聖書の授業だった。
(眠すぎる……!寝なかった私を全力で褒めてほしい……)
次は魔法属性の座学。さっきよりは興味ある! 使えないけど!いや、使えないけどもおお!
ディディエ先生が黒板の前で淡々と語る。
「皆さんご存じの通り、魔法には基本属性が四種類あります。
火=紅蓮、氷=蒼氷、風=翠嵐、土=剛岩ですね。それぞれ得意・不得意があり、順番に覚えていきましょう」
「さて、この世界にはあと三つ、特別な属性も存在します。分かる人いますか?」
するとリリスがビシッと手を挙げて、誇らしげに言う。
「雷鳴、聖光、暗影ですわ!」
「その通りです。これらは一般的には使う機会はありませんが――雷鳴は勇者の血筋、聖光は女神の祝福を受けた者、暗影は魔族が使う特殊な属性です」
(いいなあ……“勇者の血筋”とか“女神の祝福”とか、どう考えても主人公チート枠じゃん!私も転生するならそっちがよかった!)
(そしたら、どんな強敵にも雷バリバリ&光ピカーッで無双して、みんなから「さすがですクロノ様!」とか崇められる未来……くぅ、妄想だけなら誰にも負けないのに……)
(現実は“魔力ゼロ”!唯一の取り柄は変な現界具現だけ!はぁ~、せめて女神さま、今からでもチートください。課金したいレベルでお願い――!)
身振り手振りで妄想するクロノをみてクスッと笑うミーナ
「クロノちゃん、魔法の授業なのにお祈りしてるの? ほんと面白いね!」
前のミーナにツッコまれ、我に返る私。
(つい内心で女神召喚コールしてた……)
授業が終わると、今日は初等部の案内。魔道館とかグラウンドとか、学校探検みたいな感じで終了。
明日はついに魔道館で魔法実習があるらしい。うわー、いよいよ隠しきれる自信ないんだけど!
(今日も帰ったら、弟マークにチート隠蔽会議付き合ってもらうしかない……!)