弟マークとポテチと花火の紅蓮魔法?
試験場を出たクロノは、悲しそうに母さんに報告。
「ごめん、お母さん。目立たないようにしようと思ったんだけど…。
試験でね、紅蓮魔法の素晴らしい才能があるって大騒ぎされちゃった……。」
母さん、まるで宝くじ当てたみたいに目をキラッキラにして、
「本当に!?実はあなたの変な物を出す魔法のことはお父さんとも気づいて相談してて、でも私たちには隠したいみたいだから、とりあえず様子を見ましょうってことになってたの。」
一息ためて、涙ぐみながら話す。
「うん……でも普通に紅蓮魔法の適正もあるなら少し安心したわ…。本当に良かった…。」
母さんの安心した顔見て、クロノは内心プレッシャー感じつつも、元気に
「期待に応えられるかわからないけど……聖学園生活、マジで頑張るわ!」
帰り道、母さんとご機嫌にケーキ屋に寄り、家族で今夜は「紅蓮魔法デビュー祝い」をする予定をたてた。
―――
家に帰ったクロノは、さっそく試験のあらましをマークに話して泣きつく。
マークは2リットルの炭酸シュワシュワを一気飲みすると、
珍しくマジメな顔で言った。
「姉ちゃん、俺も魔法使えるけど、魔法を使えるやつより、絶対姉ちゃんのが凄いよ。
そのサラサってやつにライバル認定されたみたいだけど、逆にギャフンと言わせてやりなよ。
姉ちゃんの限界具現なら負けるわけない!」
クロノ(心の声)「うおっ、ちょっと感動したけどお前シュワシュワ飲みすぎw」
感動も束の間、
「んでさ、ポテチ切れたんだけど、次はコンソメ味食べたい!」と満面の笑みでおねだり。
クロノ(心の声)「なんやねんお前、本音はポテチ食いたいだけやんけ!」
ちょっとイラッとしたけど、まあ励まされたのも事実なのでコンソメポテチを出してあげる。
「ありがとう姉ちゃん!これからも実験手伝うから!」
早速ポテチの袋を開けむしゃむしゃ食べて、シュワシュワをぐびり。
するとマークがまたひらめいた。
「そうだ!紅蓮魔法ってことはロケット花火とか打ち上げ花火をバンバン打ち上げて評価してもらうのはどう?あれ超派手だし絶対ウケるって!」
クロノ(心の声)「花火か……。庭でやって母さんにドヤされてから出して無かったな…。
んー…普通にあり?ありだよね……。
マジか、やっぱマーク天才じゃね?」
こうして、聖学園での魔法対策と秘密のチート研究は続くのであった。