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弟マークとポテチとバーサーカー

家に帰ると、いつものようにマークのゲーム部屋が騒がしい。


「姉ちゃん、おかえりー!」

ソファでくつろぐマーク、手には炭酸シュワシュワ、口にはサワーバターオニオンポテチ、しかも親指はベッタベタ。そのままコントローラーを操りながら、目線はテレビにくぎづけ。


「見て見て!ついにドムー、3回目で倒したよ!やっぱ転職はバーサーカー一択かな?」


クロノは一歩も引かず、

「ちょっと!ゲームやるときはポテチ禁止って何回言えばわかるの?しかも朝からずっとやってたでしょ!コントローラーが“油田”みたいになってるじゃん!ポテチも、もう限界具現で出してあげないからね!」


「ご、ごめん姉ちゃん!手、ちゃんと洗うから!コントローラーも拭くから!ポテチだけは許してぇ……。あと2時間ちゃんと守るから!」


「わかったらよろしい。……ったく、あんたにはほんと甘いな私……」


(自覚なし、”激甘お姉ちゃん”)


「てかさ、マーク。マジで相談があるんだけど――」


「ちょい待って、今セーブポイントだから」


画面のキャラを教会で祈らせて、セーブ完了。

……なのに、マークは自分でも手を合わせて

「またセーブデータが消えませんように……」

現実とゲーム、ダブルでお祈りしてからガチャっとゲーム機オフ。シュワシュワ炭酸をゴクリ。


(そこまで神頼みしなくても……いや、でもちょっと分かる……)


「はい、続きどぞ」


「……明日、魔道館っていう所で実習があるの。実習は、灯りを薄暗くして“魔力の色”が見えるようにして、魔法を操る練習をするらしいんだけど――私、魔力ないから、どうしたらいいかなって思ってさ。」


マークはちょっと考えてから、

「要は暗い所で光がフワフワしてればいいんだよね?この前、俺が夜寝れなくて出してくれた、

”アレ”丁度いいんじゃない?充電式で色も変えられるし、キラキラしてて型紙があれば光る形とかえられるし。かなり目立つと思うよ」


「……それ天才か? さすが我が弟!」


「うぇーい!その代わり、今日のポテチおかわりと、炭酸シュワシュワ緑+アイスでよろしく!」


「ええー、また太るってば。でも、まぁ相談のってくれたし、しょうがないかぁ……」


(……この家のダメ習慣、加速中)


マークは早速コントローラーを拭き始め、クロノは限界具現でメロンクリームソーダをだす。


「姉ちゃん、明日の実習でアレの配色効果をいじって“七色に光る魔力”とかやっちゃえよ。絶対ウケるって!」


「それでバレなきゃね……」

(まあ安全策は光量おとして赤色にすれば普通の紅蓮魔法の適正って事で注目されず、なんとかなりそう)


そんなわけで、今日も“現界具現”チートとシュワシュワとポテチで、姉弟の作戦会議はゆるっと進んでいくのであった――。


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