13 アタル、野獣になってた
『おいお前、名前は』
一番奥の古びた檻の中から
しゃがれた声が発せられる
暗くて姿はよく見えない
ボス的なアレだろうか
『俺はアタルですけど...』
『そうか』
『あの...今どういう状況ですか?
ちょっと混乱してて...普通の人間って獣と話せるもんなんですか』
『何を言っている
お前は普通の人間ではないじゃろう』
え!そうなの!!
もしかして俺が気づいてないだけで何か凄まじいパワーが...!!?
『お前はとっくにこっち側じゃからな』
あーーー......?
開いた口って本当にふさがらないもんなんだなw
『いや俺は普通の...』
『それを見てもか?』
ん?
さわさわ
普通だよな?
ふさっ
ふさっ?
背中に?
ブチッ
イてっ
ピンクの...毛...
これ、ケツツノウルフの...
あははー俺としたことがまだこんなところについてたなんてな...ははは
ふさふさ
あ゛ーーーーーー!!
え?俺?ケツツノウルフなってんの?
え?もともと?後から?
いつから?声が聞こえるのも?
『混乱しておるな、それはケツツノウルフの効果じゃな』
えw本当にケツツノウルフなのーーーぉ↑↑??ww
俺、天才すぎん?
異世界転生一発目に出会った生き物の名前当てられる?
普通w
『効果ってのは...』
『ケツツノウルフになるんじゃ』
『......えw』
なんそれw
『一時的にですよね?』
『永久的にじゃ』
.........
やあ、俺は犬歩 アタル!今は異世界でケツツノウルフやってまーっす!
背中にピンクの毛がふっさふさですー
多分そのうちケツからドリルみたいな角が生えてきまーす
wwww
やってられるかぁ!
永久は地獄すぎんだろw
早々に詰んだの草w