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5 女神訪問


「私は女神クリアナです。以後お見知りおきを」


 周りの人々は沈黙する。突如起きた異常現象に信者は愚か、近くにいた神父でさえギックリ腰をしてしまった程だ。


 困惑する神父にクリアナは気づき、その方向に歩み出す。


「ほほほほ、本当に貴方様が女神クリアナ様なのですかぁ!?」


 女神は凛々しくかつ優しい文字通り女神のような声で答える。


「ええそうです。私が女神クリアナ、神父のバージスさんですね、聖域から見ていましたよ。生涯をほとんどを私の信仰のために捧げてくださりありがとう」



 神父は大泣きして女神の前に座り込んだ。彼のぐちゃぐちゃな顔をクリアナは自前のハンカチでゴシゴシ拭いた。


「見た目も服装もどれも聖書に書かれた通りですじゃあ。このお方は本物のクリアナ様ですじゃぁ」


 神父のその発言に誰もが驚き唖然とした。


 その後周りの信者がクリアナにお近づきになろうとワラワラと集まる。それをクリアナは女神としての威厳もあり、信者への気遣いもかけた挨拶をする。



 この女神、ファンサが滅茶苦茶上手だった!


 そしてアベルの前にたどり着いたクリアナ。


「もしかしてあの時の女神ですかぁ!!」


「そうよ、さっきまで忘れてたみたいで悲しいけど」


 今にも泡を吐きそうな父に声をかけたクリアナはある要求をする。


「貴方はヴィルヘルム・レグラコスさんね。今日貴方の家を尋ねてもいいかしら?」


 ハッと意識の戻った父はどうぞどうぞと馬車の場所を案内する。


「ネルドル!!! いるかネルドル!!」


「ヴィルヘルム様、どうかされましたか?」


「女神様が馬車に乗る!! 丁寧に運転してくれ!」


「!?!?!?」


 馬車に乗って向かうはレグラコス家の屋敷。アベル以外の家族全員が困惑と呆然の中、クリアナは淡々と喋り出す。


「今回私が地上に降りた理由はアベル君についてです」


「う、うちのアベルに一体どのような用件がっ!」


「簡単にいうとですね、私はアベル君ととある契約を結んでいます」


 頭に?しか浮かばないアベル。それもその筈。アベルは初めてクリアナと会った時には契約など結んでいないのだ。


「契約とは一体どのような!」


「そんな固い契約ではありません。ただアベル君が危機に瀕した時に私が救い出すという契約です」


 父母は固まる。そして結論を出す。


((うちの子って女神様の加護が付いてるってこと!?!?))


 クリアナの隣にいたリアナはある事に引っかかり質問した。


「危機に瀕した時って、つまり兄様は」


「そうです。アベル君には今」


 言おうとしたその時、ガタンと馬車が突如止まる。


「何事だ!?」


「ヴィルヘルム様!! 賊です!山賊です!!」





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