表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/7

4 女神降臨


 朝早く。のどかな平野を駆けているのはレグラコス一家を運ぶ馬車である。


「アクアぁぁぁ!!!! いでよアクアぁぁぁ!!!」


 馬車内でもアベルは魔法の練習をしていた。隣ではリアナがうとうとしてアベルの肩に頭をかける。


 何故レグラコス一家は馬車で移動しているのか。


 それは次の場所にゆく為である。


 父ヴィルヘルム・レグラコスが寝ぼけている妻と爆睡を始めた娘を起こす。


「着いたぞみんな。『聖地』アランバレルだ」


 聖地アランバレル。この世で最も信者数の多いクリアナ教の発祥地である。水源を中心とした街があり、その水源の上に女神クリアナを祈る為のリメルク神殿が建てられている。


 父ヴィルヘルムもクリアナ教の信者であり、今回は何に一度の祭り「晴天式」の為に訪れたのだ。


「ぬぉぉ!! 凄いです父上ぇ!!」


「そうだろアベル、何せ聖地だからな。山の上だから空気も澄んでいる」


 馬車を降りた4人は執事のネルドルを連れてリメルク神殿へと向かう。


「リアナ、どうした。….あぁ。あそこの屋台の菓子を食べたいのか?」


 父の気遣いにリアナはビクッと驚いた。理由は尊敬する父に庶民のような所を見られたくなかったのだ。


「ははぁ、さては図星だな。いいぞ、どの種類が欲しい」


「父上ぇ! 俺も食べたいです!」


 父親は2人分の菓子を買ったのちアベル達に優しく手渡しする。


 祭りを楽しんだ後、アベル達はリメルク神殿に着いた。


 リメルク神殿内にある巨大な女神クリアナ像前に着いた。


 ヴィルヘルムとカーラは像に向かって手を組んで祈りを捧げる。

 

 それを見てアベルとリアナも続いて祈りを捧げる。


ー魔法が使えるようなりますようにぃぃぃぃ!!!!

うおおおおおおおぉぉぉぉ!!!


『うるさいぃ!! 念もうるさいとかバカにも加減があるでしょ!』


「!? この声は!!」


「ん? どうかしたのかアベル」


 ヴィルヘルムが振り返ったその時、女神像が光出す。その眩しさに周りの信者、観光客、そしてアベル達も目を瞑る。


 ようやく光が消えて見られるようになった時、巨大な女神像が消えていたのだ。

 

 そして女神像の顔があった筈の方向から目線を下ろすと1人の女性がいた。


 10年前。


 アベルが見たことのある。あの女性だ。


「あなたはぁ!!」


「10年ぶりね、異世界生活は楽しい?」


「誰ですか?」


「忘れてるのかいぃ!!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ