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1 生粋のバカ!

「うおおおおおお!!!!」


 とある住宅街。そこに全力疾走するバカがいた。


「うおおおおお!!!! 遅刻ダァァァ!!!」


 突然叫び出すこと男は近くの高校の生徒、成績は普通だが俗にいる天然な男。

 要は『バカ』と呼ばれるタイプの人間だ。


 キキィィィ!!


 遅刻に焦るバカの前にトラックに轢かれそうな子供が、バカは子供を救うべく己の加速を活かして突き飛ばした。


 子供は草むらに吹っ飛び怪我はない。しかしバカはそのままトラックの餌食になってしまう。




 バカは目を覚ます。


「夢か!? まずい遅刻ダァァァ!!!」


 バカは何故か真っ暗な闇の中にいた。バカは目を瞑っていたと思って瞼をパチクリさせる。すると何処からか声がする。


「起きましたか? 私は女神クリアナです。よくぞ幼き命を救いました」


「誰ですか! アナタは!」


「……女神クリアナです。いいですか、アナタは幼き命の為にその身を犠牲にしたのですよ」


「つまりどういうことですか!」


「……えーと、つまりアナタはあの時トラックに轢かれて死んでしまったのよ」


「なんだって!? 死んでる場合ではない!このままでは学校に遅刻する!」


「もう死んでるんだからいいのよ行かなくて! それよりアナタは私の所有する異世界の新たな転生者に選ばれたの。おめでたいことよ」


 バカは理解が追いつかず、女神に浴びせるような質問をする。女神は嫌気がさしたのか、質問を無視して彼の下に魔法陣を浮かばせる。


「うっせえぇぇ!! さっさと異世界いけぇ!! こっちも仕事が山積みなんだよぉぉぉ!!」


「ぬぉぉぉぉぉ!!!!」


 そしてバカは意識が途切れる。


 そしてバカは目を覚ます。


「夢か!? まずい遅刻ダァァァ!!!」


 しかしそれは彼の口から出て言葉にはならなかった。何故なら今の彼には『歯』がないからである。


 バカは転生していたのだ! しかも赤子になって!







異世界ギャグファンタジーです。温かい目で見てくれると嬉しいです。

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