だよがうかしやい
「お兄ちゃん!。じゃあね〜。」
「じゃあな!。気を付けて帰れよ〜。」
は〜いと言いながら小学生の小僧軍団は手を振りながら去っていく。
よし!。お客さんはみんな帰った事だし、看板を裏っ返しにしてと
CLOSE
「はぁー…。疲れたなぁ。今日何人ぐらい来たんだ?。」
ここは祖母が営んでいた、駄菓子屋 マチ子
大好きだった祖母が亡くなり、そんな祖母が大事にしていた駄菓子屋を俺が受け継ぐ事になったんだが。
お店を閉じると変な事が起きるんだよなぁ…。
プルプルルルルルル プルルルルルル
ほら来た。
ガチャ
「もしもし?。」
「アタシ、メリ…
ガチャ
プルプルルルルルル プルルルルルル
ガチャ
「はい?。もしもし。」
「アタ…
ガチャ
っとまぁこんな感じで迷惑電話が多発してるんだよな。黒電話は故障してるっていうのに動いてるしで困ったもんだよホントに。
「まぁいいや、茶でも飲も。」
なんて別の部屋に行こうとすると入口のガラス扉が
揺れ始め、待ちなさいよぉおお!と勢いよくガラス扉がぶっ壊れる。
「ちょっと!!。京介!私が何回も電話掛けてるのに直ぐに切るなんてどういう事よ。」
「あぁ!。うっせぇなぁ。毎度毎度駄菓子屋に来るたんびに、私メリーさん。今〇〇区〇〇丁目の〇〇通りを右折したのとか移動する度にかけてきやがって、最後まで聞いてられっかよ!!。」
「しかも人んちの店をぶち壊してこれるぐらいの妖力があるんだから、そんなめんどくせぇ事に付き合ってられっかって話だよ。」
「いいじゃない、いいじゃない!。私にだって!メリーさんとしてのプライドがあるのよ!。」
そんな言い争いをしている僕らにそうですねぇと白いワイシャツに赤いスカートを履いたおかっぱ頭の女の子がお茶を出してくれる。
「お、ありがとな、花子。」
「いえいえ、なんだか楽しそうだなぁって見てました。」
「ちょっと花子も言ってやってよ!。京介酷いんだよ?私はただ自分の本能に従って電話掛けてるだけなのにそれを辞めろっていうの。信じられる?信じられない!。」
「まぁまぁ、メリーちゃん。落ち着いて。でもそうですね、私達妖怪は一応人を驚かすのが、皆さんで言うお仕事なので、その辺は京介君も甘く見てあげてください。」
「まぁ、花子が言うならそうするよ。」
「え?私と花子の落差、酷すぎない?。」
「そりゃあそうだろ。」
なんてったって一番最初にこの駄菓子屋で出会ったのた妖怪はトイレの花子さんなんだから。
あれは、マチばぁの駄菓子屋を再開してから3日目の事だった。
営業時間が終了しお店を閉めてテレビを見ながらのんびりしていると、ガラス扉から店内をじーっと見つめる少女がいたんだ。
迷子か?と思い声をかけると、マチばぁの親友なんて言うじゃねぇか。
それはおもしれぇやと思って色々話を聞いていくと実はトイレの花子さんである事と、この駄菓子屋は妖怪達が憩いの場として集う休憩スポットになっている事を教えて貰ったんだ。
「何ニヤニヤしてんの、キモイんだけど京介。」
「あぁ!。黙っとれ、金髪ロリータお嬢様(笑)は。」
「はい、はい。2人とも喧嘩しないで、お客さん来たよ、お客さん。」
とガラス扉越しに見えた妖怪の姿は…
「でかくね?。」
ガラス扉の大きさはだいたい200mぐらいなのにも関わらず顔が見えないとはお見逸れ網した。
「ぽっぽっぽっぽ。」
「え?なんだって?」
あまりにも一単語過ぎるが故に聞き取れず困っていると私の良い所を見せてあげるわとメリーがウザイ顔をしながら通訳してくれた。
「えっとなになに、怪談の先輩、花子さんに誘われてここに来たって?。」
「花子あんたの客じゃないのこの子!。自分で対応しなさいよ!自分で!」
「ごめんね。メリーちゃん、接客してくれて。2人の喧嘩を止めるにはこうするしかなかったかなって。許してくれる?」
「ま、まぁ。花子がそういうなら、しょ、しょうがないわね。」
そうメリーも花子には弱いのだ。
「そ、それにしても身長高いわねぇ…。この店にこの子入らなくない?。」
「それはねぇだろ。」
「なんでよ?。」
「だって、花子もメリーも怪談の話に出てくる姿じゃねぇだろ。花子は中学生ぐらいの見た目で、お前に関しては人形じゃなくて人間じゃねぇか、それならこの子も見た目ぐらいなら変えれるだろ。」
「そうね、私達はみんなが噂をしてくれる事によって力を使える様になるからこの子も使えると思うわ。」
「八尺ちゃん。身長縮められるかしら?。」
「ぽっぽっぽっぽっ〜!。」
と八尺様は光り輝きみるみるうちに身長が小さくなって行く。
「これはいつ見ても不思議だよなぁ。」
「確かにねぇ…。人間はこんな事できないものね。」
メリーと話をしていると八尺様の光が収まり白いワンピースと麦わら帽子を被った成人女性になっていた。
可愛いな…。
「ぷーくすくす。絶対京介 はっちゃん見て可愛いと思ったでしょ。」
「うるせぇわ。浄めの札でも貼ってやろうか?。」
「2人とも静かに!。」
「「すいません。」」
「もう、ほんとに2人はいつもこうなんだから。」
「「ごめんなさい。」」
「ふふ、素直に謝れる子は好きですよ、許しましょう。それじゃあ2人とも気を取り直して、いつものいくよ?。」
「了解!。」「おっけ〜い。」
「「「ようこそ妖怪専門駄菓子屋 マチ子へ。」」」
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