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95 魔族の剣士VS魔族のサムライ


「ゼル殿、あなたに一手御指南願う」


 と、カザオトが近づいてきた。


 迫力が――他の魔族とは全然違う。


 ゲーム内では中ボスクラスの強さを誇るカザオトだけど、今の時点でもそれくらい強いんだろうか?


 雰囲気からして、あの異空間闘技場で戦った中ボスクラスの【悪鬼王】と同じか、それ以上の迫力を感じる。


 さっき自己紹介をしたときとは全然違う。


 これが『戦場』でのカザオト・レイガか――。


「分かった。受けて立つ」


 俺は気持ちを引き締め、剣を構えなおした。


 カザオトも鞘から刀を抜いた。


 互いの距離は十メートルといったところ。


 当然、剣で斬り合うには遠い間合いだけど――、


「【疾風の太刀】」


 ばしゅっ!


 カザオトの斬撃から風の刃が放たれる。


 確かこれは――真空の断層を作り出すことで、離れた相手を斬りつけられる攻撃スキルだ。


 斬撃でありながら驚異的な射程距離を誇る、厄介な攻撃スキルだった。


 しかも風の刃なので、剣で受けることもできない。


 回避一択である。


「ちいっ……」


 俺はその軌道を【見切り】、大きく横に跳んだ。


 と、そこへ、


「【火炎の太刀】」


 ボウッ!


 カザオトの第二撃は炎をまとった刀だった。


 これも【見切って】、俺は炎の効果範囲から逃れる。


「遠距離からでは仕留められぬか……」


 カザオトがつぶやいた。


「……強いな」


 同じ剣士タイプでも、近距離主体の俺と違い、カザオトは遠距離でも強力な攻撃力を備えたタイプだ。


 近づいたところで、さっきみたいな特殊斬撃をぶっ放されると、こっちが大ダメージを受ける可能性がある。


 風や炎なんて至近距離でいきなり撃たれたら、さすがに俺のスピードでも避けきれるか分からない。


 かといって、離れた距離での戦いなら、向こうの方に分があるだろう。


 俺の遠距離攻撃方法は【バーストアロー】のみ。


 こいつが通じるかどうか――。


「確かゼル殿にはナイフを飛ばす戦技があったはず。使ってみたらどうかな?」


 カザオトが言った。


「拙者には通用せぬが」


 あからさまな挑発だ。


 礼儀正しいけど、戦いだとこういう駆け引きもするんだな、こいつ。


 正直ちょっとカチンときた。


「なら――試してやるか」


 言いつつも、俺は奴の動きを注視している。


 カザオトの狙いは、俺に【バーストアロー】を撃たせること。


 その後に奴は何かを仕掛けてくるのか……?


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敵国で最強の黒騎士皇子に転生した僕は、美しい姉皇女に溺愛され、五種の魔眼で戦場を無双する。


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