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94 局面は進み、終盤へ

 前方から二体の魔族が迫ってくる。


 さらに後方からも一体。


 挟み撃ちか――。


 どうも俺は、他の魔族たちから狙われる傾向にあるみたいだ。


 それだけ警戒されている――ということは、裏を返せば、俺の実力が認められている、ってことなのかな?


 もしそうなら、ありがたい話だ。


 ただ、バトルロイヤルをやっている今は、その評価がそのまま俺にとってのハンデになる。


 より多くの敵が俺を倒そうと一致団結して向かってくるわけだからな――。


「【集中】【見切り】」


 俺は前後を見回しながら、彼らの動きを注視する。


 たちまち、その動きがスローモーションに見えた。


 一対三でも十分やれそうだ。


「【バーストアロー】!」


 まず前方の二体を投げナイフの【投擲】コンボスキルで牽制。


 その間に背後から迫ってきていた、残り一体の魔族と対峙する。


 さっき牽制した二体がふたたび向かってくる前に、まずこいつを倒す――。


「くくく、僕はイーファス! 【吸血鬼】の眷属! 不死の王とも呼ばれる最強種族さ!」


 黒いマントに赤い裏地の『いかにも吸血鬼』というコスチュームをした美少年だ。


「パワーでも魔力でも、僕は最強だ! さあ、震えるがいい――ごぼぉっ!」

「――【スカーレットブレイク】」


 俺はカウンター気味に食らわせたコンボスキルで、吸血鬼イーファスをワンパンKOした。


 まあ、吸血鬼といっても、たぶん中級程度だろう。


 上級の吸血鬼になれば、こいつの言う通り魔族の中で最強種族の一角だけど、中級以下はそこまでじゃない。


 そもそも上級吸血鬼は当然のことながら高位魔族であり、この3番隊にいる高位魔族は現在ラヴィニア隊長だけだからな。


 必然的に、こいつが上級吸血鬼のはずがない、ということになる。


「……で、こいつの後に残りの二体を倒そうとしたんだけどな」


 俺はゆっくりと振り返った。


 背後からの気配で分かっていた。


 俺に迫っていた二体は、既に倒された後だ――と。


 そして、それを為した者は見知った気配の持ち主だった。


「強いんだな、カザオト」


 赤茶けた髪をポニーテール風に結ったサムライ少年が、俺を見つめる。


 その足元には二体の魔族が倒れていた。


「峰打ちでござる」


 チン、と鍔なりの音を立て、カザオトが刀を鞘にしまった。


「この者たちでは歯ごたえがなさすぎる……ゼル殿、あなたに一手御指南願う」



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敵国で最強の黒騎士皇子に転生した僕は、美しい姉皇女に溺愛され、五種の魔眼で戦場を無双する。


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