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93 乱入者


「ぐっ……」


 吹き飛ばされた俺は激しく地面に叩きつけられた。


「がはっ……」


 今のは、まずい。


 幸い、骨は折れてないようだけど、強い打撲を数カ所に負っているだろう。


 おまけに熱波を全身に浴び、痛みがひどい。


「く……そっ……」


 ラヴィニア隊長との戦いに完全に没入していて、周囲からの攻撃に対する警戒が一瞬おろそかになってしまった。


 そこを見事なまでに突かれてしまった。


「ほう? 頑丈じゃのう」


 現れたのは、巨大な竜。


 なんだ、こいつは……?


「3番隊にこんな奴いたっけ……?」

「メリザガルド。わらわの名じゃ」


 竜が告げた。


 小さな女の子みたいな声音だった。


 おそらく竜人タイプの魔族だろう。


 ただ、3番隊にそんな魔族が所属しているなんて知らなかった。


「長らく病休扱いになっていたが、ようやく復帰というわけじゃ」


 メリザガルドが言った。


「わらわの力を知らしめるため――まずは対抗戦とやらの選手に選ばれようと思ってのう」


 竜の口が開く。


 しゅううう……んっ。


 そこに赤い魔力の輝きが宿った。


 たぶん、さっきの一撃はドラゴンブレスだろう。


 そいつがもう一発――来る!


 見回せば、すでにラヴィニア隊長の姿はなかった。


 いったん不利と見て、さっさと離脱したのか。


 さすがに判断が早い――。


 対して俺は、モタモタしてその場から離れられない状況だ。


 これが俺と隊長の差、ってことか……!?


「ちいっ……」


 俺は剣を支えに、痛みを無視して無理やり立ち上がった。


 直撃はさすがにまずい。


 けれど、この体で満足に動けるか、どうか。


「一人一人……このメリザガルドの【ファイアーブレス】で吹き飛ばしてくれよう」


 その口に魔力の輝きがあふれ、ドラゴンブレスが放たれる――。


「【バーストアロー】!」


 俺はとっさに足元の石を拾い、【投擲】した。


 普段は投げナイフを使う【バーストアロー】の変形技だ。


 ナイフよりもかなり大きめの石がメリザガルドの口内に吸い込まれ、


「ごばぁっ……!?」


 爆発を、起こした。


「んぐぐぐぐ……」


 メリザガルドが苦鳴をもらす。


 ドラゴンブレスのエネルギーを口内で食らってしまったらしい。


 今のうちに離脱だ――。


 俺はその場から離れた。


 やっぱり、がむしゃらに戦うだけじゃなく、退くべきときは退くという判断力をもっと養わないと、な。


 今回のことは教訓にしよう――。


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敵国で最強の黒騎士皇子に転生した僕は、美しい姉皇女に溺愛され、五種の魔眼で戦場を無双する。


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