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89 選抜戦前にラヴィニア隊長と語らう

「ゼルくん、いよいよ選抜戦ね。調子はどう?」


 選抜戦の当日、隊の詰め所に行くとラヴィニア隊長に出会った。


「体調は万全です。後は上手く立ち回れるかどうかですね」

「バトルロイヤル形式は不慣れだって言ってたわね」

「ほぼ初めてですね……」


 俺はラヴィニア隊長に言った。


「訓練の模擬戦でやったことはあるんですけど、俺にはあんまり合わないというか……」

「ゼルくんは一対一の戦い向きよね」

「ええ。そっちはやりやすいんですけど――」

「いい機会じゃない。結果はどうあれ、きっとこの経験が君の糧になるわ」


 ラヴィニア隊長が微笑む。


「今日の選抜戦で終わりじゃない。その先も君は魔王軍の一員として過ごしていくんだから」

「……ですね」


 俺はラヴィニア隊長の言いたいことが、なんとなく分かった。


「選抜戦に勝ち抜くことよりも、俺自身が成長すること――そこを第一の目的にしろ、ってことですよね」

「もちろん結果を出すのは大事よ。ただ、その結果を出すために必要なのは『過程』――君はきっと、まだまだ強くなるはずだもの」


 ラヴィニア隊長が俺の手にポンと肩を置いた。


「今日の選抜戦から何かをつかみとって――さらに強くなりなさい、ゼルくん」

「はい。ありがとうございます!」


 俺はラヴィニア隊長にうなずいた。


「あ、それと――私も出場するから、戦いになったら遠慮なくいくわよ」

「俺も、全力で行きます」


 俺たちは視線を合わせ、笑みを交わし……別れた。


「――ありがとうございます、ラヴィニア隊長」


 去っていく彼女の背中に、俺はもう一度礼を言った。


 ラヴィニア隊長のおかげで、あらためて自分の目標や今回やるべきことを整理できた気がする。


 後は――今の俺の全てを出し切るだけだ。




 そして――選抜戦が始まる。




「確認を兼ねて、最初にルールを説明するわね」


 と、ラヴィニア隊長。


 ここは実戦と同じ直径100メートルほどの円形闘技場である。


「実際の対抗戦では5つの隊が同時に闘技場に入って、バトルロイヤルを行うの。戦闘不能になったり闘技場の外に追い出された者は失格。そうやって制限時間内でもっとも失格者の少ない隊が勝ちになるわ」


 チーム戦によるバトルロイヤル、というわけだ。


「勝ち残ったチーム同士で、さらに同じ形式でバトルロイヤルを続けていき、最後に残った一チームが優勝。そして優勝したチームには魔王様から多大な褒賞がいただける、と告知されているわ」


 おおおおおおおっ……!


 隊のメンバーたちがどよめいた。


 これは初めて知る情報だった。


 褒賞か……一体どんなものがもらえるんだろう。



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敵国で最強の黒騎士皇子に転生した僕は、美しい姉皇女に溺愛され、五種の魔眼で戦場を無双する。


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