表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/121

75 最速の決着戦


「お前のパワーは圧倒的だ。攻撃力において、お前は俺を大きく上回っている。けれど――」


 一つ、俺の方が優位な点がある。


 それはスピード。


 奴の巨体は当然ながら『重い』。


 拳を繰り出すとき、蹴りを放つとき――その重い四肢を動かすための『溜め』が生じるのを、俺はここまでの攻防で確認していた。


「その『溜め』の間に最速で間合いを詰め、奴の攻撃が発動する前に俺が攻撃を叩きこむ」


 勝機があるとしたら、そこしかない。


 いわゆる『先の先』だ。


「ほう、面白い」


 悪鬼王が俺を見て、ニヤリとした。


「見せてもらおうか。お前の力を。お前の速さを。我を超えてみせるというなら、存分に――」

「ああ」


 俺は剣を腰だめに構え、前傾姿勢になった。


【突進】するのがバレバレの構えだけど、そもそも俺は自分の狙いを宣言している。


 分かっていても、俺の最速の攻撃は止められない――。




「「勝負!」」




 俺たちの言葉が重なる。


 同時に、俺は地面を蹴った。


 高速で間合いを詰める。


【突進】を発動。

【集中】を発動。


 スキルを重ね合わせ、限界まで加速する――。


「確かに速い……だが対応できないほどの速さではない!」


 と、悪鬼王が俺を迎撃するように体勢を整える。


 駄目だ、反応されてる。


 今のスピードじゃダメだ。


 もう一段階、上のスピードが必要だ。


 ――どくんっ!


 心臓の鼓動がひときわ早くなる。


「――あるぞ」


 もう一つスピードを上げるための『力』が。


 魔族としての『力』を、今こそ全開に――!


 どんっ!


 俺は今まで以上の力強く、地面を踏みこんだ。


【デモンブレイダー】としての身体能力を全開にする。




 コンボスキル――【縮地】。




「っ!? は、速い――!?」


 悪鬼王が初めて驚きの声を上げた。


「おおおおおおおおおおっ!」


 俺はさらに加速していく。


 どこまでも加速していく。


 その動きの軌跡は、さながら黒い弾丸。


 一直線に突き進んだ俺はそのまま跳び上がり、悪鬼王の額に剣を突き刺した。

【大切なお知らせ】


エンターブレイン様から『死亡ルート確定の悪役貴族』の書籍版が発売中です! なろう版から4割近くを書き下ろし、新規エピソードがたくさん入ってますので、なろうを読んで下さっている方もぜひよろしくお願いします~!


広告下の書影をクリックしてもらえると公式ページに飛べます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して
★★★★★にしていただけると作者への応援となります!


執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!


▼書籍版2巻がKADOKAWAエンターブレイン様から6/30発売です! 全編書き下ろしとなっておりますので、ぜひ!(画像クリックで公式ページに飛べます)▼



ifc7gdbwfoad8i8e1wlug9akh561_vc1_1d1_1xq_1e3fq.jpg


▼カクヨムでの新作です! ★やフォローで応援いただけると嬉しいです~!▼

敵国で最強の黒騎士皇子に転生した僕は、美しい姉皇女に溺愛され、五種の魔眼で戦場を無双する。


― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ