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65 迷い込んだ場所

 気が付くと、俺はさっきまでとは違う場所にいた。


 周囲に立ち込める白い霧。


 その向こう側に巨大な建造物が見える。


 ローマのコロッセオを思わせる闘技場だ。


「ここは……?」


 そうだ、覚えがある。


 以前にも一度、ここに来たことがある。


「異空間闘技場――!」


 ゲーム内ではトレーニングモードのような場所だった。


 実際、この世界でも異空間闘技場は訪れた者の鍛錬の場となっているみたいだ。


 俺は前にここに来たときも、何度かの修行で自分の力をかなり磨くことができた。


「今回も――」


 さらに強くなるために、修行していくか。




 俺は霧の中を進み、やがて闘技場の前までたどり着いた。


 闘技場は四つあり、それぞれが下級、中級、上級、超上級に分かれている。


 一番手前にある下級の闘技場に向かうと、一体の魔族がそこにたたずんでいた。


 三面六臂の魔族――下級闘技場の中ボス、阿修羅だ。


 こいつとは前回ここに来たときに戦っている。


 当時は強敵で、俺は敗北寸前まで追いつめられたっけ……。

 と、


「ほう? お前か」


 阿修羅が俺を見て言った。


「久しぶりだ。また『扉』を開くことができたようだな」

「扉……?」


 なんの話だろう。


「また俺と戦うか?」


 俺の疑問には答えず、阿修羅がたずねた。


 三つの顔にそれぞれ苦笑が浮かび、


「いや、もう俺で相手にならんか。貴様は以前ここに来た時よりはるかに強くなっている――」

「あれからもずっと鍛えていたからな」

「大したものだ。下級魔族でありながら……貴様なら、いずれは」


 阿修羅がかすかに笑った。


「たどり着けるかもしれんな」

「えっ」

「さあ、行くがいい。貴様にふさわしい場所は、もはやここではない。向こうだろう」


 阿修羅が指し示す先には『中級闘技場』があった。


 前回の『下級闘技場』からランクアップってことか。


「よし、腕試しといこう」


 俺は闘志を燃やし、『中級闘技場』に向かった。


 前回は『下級闘技場』だったけど、そこで俺は自分を鍛えて大幅にパワーアップすることができた。


 今は、人間界での『成長カプセル』入手を経て、さらに強くなっている。


 前回よりもランクアップした闘技場で、俺の力がどこまで通用するか――。


 ワクワクしている自分に気づき、俺は足取りも軽く『中級闘技場』へと入っていく――。


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