表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/121

62 これから、ミラが目指す道3(ミラ視点)

「……弱いところを見せちゃったね。ごめん」


 しばらく泣いた後、ミラは顔を上げた。


 彼女が泣いている間、ゼルは何も言わずに、側についていてくれた。


 それがありがたかった。


「いいんだ。仲間なんだから」


 ゼルが微笑む。


「弱いところを見せたっていいんだ。俺が……みんなが、君を支えるよ」

「ゼル……ありがとう」


 ミラは、ふうっと息を吐きだした。


「あたしは――」


 言葉に力を籠める。


「もっと強くなる」

「ミラ……?」

「いつまでも悲しんで、日々を無為に過ごして……きっとレキも今のあたしを見たら悲しむと思うから」


 ミラは顔を上げた。


 その瞳には、もう涙は浮かんでいない。


 少しずつ――意志の光が強まっていく。


「一歩ずつでも、歩き出さなきゃね。ゼルが言った通り、あたしだって……まだ生きてるんだから」


 ミラはゼルに向かって微笑んだ。


「強くなるために、また一歩ずつ。あたしは――俺は」


 前に、進むのだ。




「見てろよ、レキ。お前の分まで、俺は強くなる――」


 ミラは二本の剣を手に、最上級魔獣【ザレグランザ】に向かっていく。


「【ソニックムーブ】!」


 地面を蹴り、爆発的に加速した。


 彼女は【ソニックブレイダー】という種族である。


 その最大の特性は『速さ』。


【ソニックブレイダー】の種族としての固有スキル【ソニックムーブ】は、極めればその名の通り『音速の動き』さえ可能となる。


「これが俺の――新しい力だ!」


 るおお……んっ!?


【ザレグランザ】はミラの動きに付いていけないようだ。


 いや、もしかしたら視認さえできていないかもしれない。


 音速に達したミラは周囲に衝撃波すらまき散らしながら、一瞬にして魔獣の背後に回り込む。


 そして、すかさず二本の剣を繰り出した。


 音速の突進の勢いのままに繰り出す、彼女の新しい攻撃スキルだ。


 その名も、


「【音速斬撃・霧雨(きりさめ)】――!」



【大切なお知らせ】

エンターブレイン様から書籍版が発売中です! なろう版から4割近くを書き下ろし、新規エピソードがたくさん入ってますので、なろうを読んで下さっている方もぜひよろしくお願いします~!

広告下の書影をクリックしてもらえると公式ページに飛べます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して
★★★★★にしていただけると作者への応援となります!


執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!


▼書籍版2巻がKADOKAWAエンターブレイン様から6/30発売です! 全編書き下ろしとなっておりますので、ぜひ!(画像クリックで公式ページに飛べます)▼



ifc7gdbwfoad8i8e1wlug9akh561_vc1_1d1_1xq_1e3fq.jpg


▼カクヨムでの新作です! ★やフォローで応援いただけると嬉しいです~!▼

敵国で最強の黒騎士皇子に転生した僕は、美しい姉皇女に溺愛され、五種の魔眼で戦場を無双する。


― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ