表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/121

58 三か月後、俺はさらに強くなっている

バタバタして昨日更新忘れてました……無念(´・ω・`)

「魔獣討伐任務、ですか?」

「ええ。最上級魔獣【ザレグランザ】。以前にもゼルくんが戦ったことのある相手――上級魔獣【ディグランザ】のさらに上位種よ」


 と、ラヴィニア隊長。


「あの【ディグランザ】の……」


 よく覚えている。


 俺が前世の記憶に目覚めた後、初めての任務で戦った魔獣だ。


 厳密に言うと、討伐対象は【ボランザ】という中級魔獣で、その後に新たに現れたのが上級魔獣【ディグランザ】だ。


 その強さは中級魔獣とは桁違い。


 討伐任務に就いていた魔族が次々と蹴散らされる中、俺は異空間闘技場に迷い込んだ。


 そして、そこで力を磨き、上級魔獣を討ち取ることができた。


 そういえば、あれから異空間闘技場は一度も出ていない。


 力を磨くためにも、また行ってみたいんだけど――。


「今回は、さらに強いってことですか?」

「ええ、魔獣の中でも最上位の種族よ。こっちも精鋭ぞろいで臨むことになるわ」


 と、ラヴィニア隊長。


「いくつかの隊の共同任務で、3番隊からも数名の精鋭を出すことになっているの。ゼルくんにもお願いできるかしら」

「ラヴィニア隊長の頼みとあらば、喜んで」


 俺はにっこり笑った。


「頼もしいわね」


 ラヴィニア隊長が目を細めた。




「う、うわぁぁぁっ……」

「つ、強い――」


 俺が現場に行くと、既に先遣隊が戦いを始めていた。


 間に合わなかったか――。


 俺は急いで前に進む。


「ひ、ひいっ……」

「まずいぞ、撤退――」


 前列の魔族たちが次々に逃げてくる。


 その向こう側に、黒い装甲に覆われた小山のように巨大な四足獣の姿が見えた。


 バチッ、バチィッ!


 全身に稲妻をまとい、スパークがはじけ散っている。


 あれが最上級魔獣【ザレグランザ】か。


「みんなは下がっていろ。俺が始末する」


 パニックになりかけている彼らを、俺が制した。


「け、けど、あいつは強い……」

「集団でかからないと無理だろ……」


 魔族たちはいずれも弱気だ。


「問題ないさ。俺が前に倒した奴と、そんなに差はなさそうだ」


 と、みんなを安心させるために、俺は軽い口調で言った。

 と、


「ちぇっ、またお前がいいところを持って行くのかよ」


 拗ねたようなミラ。


 彼女も今回の任務に同行しているのだ。


「君は隊員たちを守っていてくれ。俺が前に出る」


 剣を手に、俺は最前列に立った。


 魔獣【ザレグランザ】と向かい合う。


「【バーストアロー】!」


 手にしたナイフを砲弾のごとき勢いで投げつけた。


 ――人間界潜入任務から三か月。


 俺はあの日から自分をさらに鍛え続け、新たな技をいくつも生み出していた。


 以前は剣を使用していたこのコンボスキルを、今は投げナイフで代用している。


 とはいえ、単純に武器を持ち替えただけでは成立しない。


 本来は剣を使用するスキルをコンボの中に組み込んでいるからな。


 だから、投げナイフを使っても剣を使ったときと同じ威力になるよう、近似したスキルを使用したり、タイミングをいじったり……と工夫を重ねて編み出した改良型の【バーストアロー】――。


 それが今使っている新たな【バーストアロー】だ。


 さらに、


「【バーストアロー】!」


 俺はもう一本、ナイフを投げつけた。


 以前のこのコンボ技は、剣を使っている関係上、連射はできなかった。


 一度使った剣は、簡単には回収できないし、剣を何本も装備するのは現実的じゃない。


 だけど、小さな投げナイフなら何本も携帯できるから、こうやって連続使用も可能なんだ。


 ぐおおおお……んっ。


【ザレグランザ】は左右の肩を撃ち抜かれ、動きが鈍る。


 とはいえ、さすがに装甲は厚く、この二発だけで決定打にはなりそうになかった。


 これが【ディグランザ】辺りなら、既に倒せていたかもしれないけど――さすがに最上位魔獣は瞬殺とまではいかないか。


「なら――接近して斬るだけだ」


 俺はすかさず【突進】した。


「奴の装甲は対物理特性を備えている! 斬撃はほとんど通じないぞ!」


 隊員の誰かが叫んだ。


「ほとんど通じない?」


 俺はさらに踏み込む。


「じゃあ、少しは通じるってことだろ?」


 ならば、どうするか?


 それでもなお通用するほどの強力かつ鋭利な斬撃を放つ――。


「【スカーレットブレイク】!」



【大切なお知らせ】

エンターブレイン様から書籍版が発売中です! なろう版から4割近くを書き下ろし、新規エピソードがたくさん入ってますので、なろうを読んで下さっている方もぜひよろしくお願いします~!

広告下の書影をクリックしてもらえると公式ページに飛べます。



【読んでくださった方へのお願い】

面白かった、続きが読みたい、と感じた方はブックマークや評価で応援いただけると嬉しいです……!

評価の10ポイントはとても大きいのでぜひお願いします……!


評価の入れ方は、ページ下部にある『ポイントを入れて作者を応援しましょう!』のところにある

☆☆☆☆☆をポチっと押すことで

★★★★★になり評価されます!

未評価の方もお気軽に、ぜひよろしくお願いします~!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して
★★★★★にしていただけると作者への応援となります!


執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!


▼書籍版2巻がKADOKAWAエンターブレイン様から6/30発売です! 全編書き下ろしとなっておりますので、ぜひ!(画像クリックで公式ページに飛べます)▼



ifc7gdbwfoad8i8e1wlug9akh561_vc1_1d1_1xq_1e3fq.jpg


▼カクヨムでの新作です! ★やフォローで応援いただけると嬉しいです~!▼

敵国で最強の黒騎士皇子に転生した僕は、美しい姉皇女に溺愛され、五種の魔眼で戦場を無双する。


― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ