46 俺がいるべき場所は
「どうしました? 私の質問に答えてください、ゼルさん」
マリエルの表情がさらに険しくなった。
彼女の問い――それは『俺が魔族なのかどうか』ということだ。
「それとも」
彼女の目が細まった。
「答えられませんか?」
「俺は――」
決断しなければならない。
誤魔化すのは、まず無理だろう。
なら秘密を守るために彼女たちと戦い、殺すか。
それとも逃げるか。
「逃げるぞ、レキ――」
俺は決断した。
だけど、その一瞬前に、
――どんっ!
レキの放った魔力弾が、ドリンを撃ち抜いた。
「あ……が……」
どさり、と倒れ伏すドリン。
その胸元に大きな穴が空いていた。
倒れたドリンの体の下に血だまりが広がっていく。
「ひ、ひいっ……!?」
「ドリン!?」
アッシュとセレナが悲鳴を上げた。
どんっ、どんっ!
さらにセレナも魔力弾で撃ち抜くレキ。
セレナもまた倒れ、動かなくなった。
「二人を殺した……それが答えですか」
マリエルが俺たちを見据えた。
もはやその瞳に映る光は『殺気』へと変わっている。
「二人ではありません。全員殺します――」
レキもまた殺気をにじませ、宣言する。
「お、おい、レキ――」
「ゼルさんも、覚悟を決めてください」
と、レキ。
「残りの二人も殺し、目撃者を完全に消します」
「全員、殺すっていうのか……」
「私たちが魔族だと知った者を生かしておけません」
「なるほど……目撃者を皆殺しにするということは、つまり『見られたくないことをしている』ということ。魔族の企みが見えてきましたね」
マリエルが冷然と告げた。
「考える必要はありません。これから死ぬあなたには――」
レキもまた冷然と言い返す。
どうやら――『逃げる』という選択肢は難しくなったみたいだ。
場は『戦う』という選択肢に向けて、緊張感を急速に強めていく。
「ゼルさん……」
レキが俺を横目で見る。
「くっ……」
俺は剣を構えた。
仮にこのまま逃げれば、『突然現れた魔族が冒険者二人を殺した』という事実が残る。
そうなれば、人間界全体で魔族に対する警戒心が一気に強まるだろう。
俺たちの任務は大失敗になるし、3番隊全体が糾弾され、下手をすると処刑という話になりかねない。
「戦うしかない――」
俺は腹を決めた。
だけど、やれるだろうか。
俺に人を殺すことが、
やらなければ、俺の――俺と仲間の未来は、おそらく閉ざされる。
しかし、やるとなれば――俺は、魔族として人を殺すことになる。
もはや戻れない道を――歩むことになるんだ。
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