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43 冒険者たち、俺の戦いぶりを賞賛する


 ずしん、ずしいん。


「あれは――」


 新たなゴーレムの一団が前方から近づいてきた。


「【ブルーメタルゴーレム】……【メタルゴーレム】の亜種ですね」


 マリエルが言った。


「物理攻撃に強い耐性を持つのはもちろん、魔法に対してもある程度の防御力を持っています……強敵ですよ」

「さっきの【メタルゴーレム】は俺が前衛をやって、敵の注意を引き付けてからレキが魔法で一掃したんだけど……同じ戦法は使えるかな?」

「よほどの魔力がなければ、一掃するのは難しいですね」


 と、マリエル。


「ただ、物理よりは魔法の方が有効なことは確かです。基本的には、今ゼルさんがおっしゃった戦法で……ただし、一掃するのではなく、少しずつ削っていくことになるでしょう」

「なるほど」

「俺たちも前衛をやる。全員で食い止めて、後衛に任せよう」


 と、リーダーらしき青年が言った。


「俺とドリンが前衛だ。マリエルはサポート、セレナは後衛から魔法攻撃を頼む」

「おう」

「分かったわ」


 ドリンと呼ばれた巨漢マッチョの戦士とセレナと呼ばれた女魔術師がそれぞれうなずき、マリエルも無言で後ろに下がる。


「じゃあ、この三人で前衛だな。よろしく」

「ああ。俺はアッシュだ。クラスは魔剣士」


 リーダーの青年が名乗った。


 魔剣士ということは魔法も使えるのか。


「お前は新人のFランクか? 俺たちはそれなりに経験があるから、フォローするよ」

「助かる」


 俺は素直に礼を言った。


 経験に関しては、どうにもならないからな。


 ある程度熟練の冒険者が一緒だと心強い。


「三人でなんとか時間を稼ごう」


 俺はアッシュとドリンに言った。


 そして――【ブルーメタルゴーレム】との戦いが始まった。




「う、うわぁぁぁっ……!?」


 戦闘開始早々に、アッシュとドリンがまとめて吹っ飛ばされた。


 どうやら、こいつのパワーはさっきの【メタルゴーレム】よりかなり高いらしい。


「き、気を付けろ! こいつは強い!」

「新人じゃ無理だ! ここは俺たちに任せ――ぐあっ!?」


 さらに第二撃を受け、二人は大きく吹き飛ばされた。


 なるほど、さっきの【メタルゴーレム】よりは強そうだ。


 とはいえ、敵わないというほどじゃない。


「こっちだ!」


 俺は彼らが追撃されないよう、敵の注意を自分に引き付ける。


 うおおおおおんっ。


 数体の【ブルーメタルゴーレム】がまとめて俺に向かってきた。


「アッシュとドリンが襲われないように離れないといけないけど、後衛の方にも行かせないようにしないとな――」


 立ち位置の計算が厄介だ。


 俺は後退しつつ、奴らのパンチや蹴り、体当たりを次々に避けていく。


 そして反撃の剣を繰り出した。


 といっても、下手に全力の斬撃を当てると、剣の方が折れてしまうかもしれない。


 七、八割くらいの力で剣を振るい、狙うのも装甲が薄そうな関節部だ。


 関節部に一撃を食らわせ、【ブルーメタルゴーレム】をよろめかせ、また次の一体へ。


 そうやって順番に奴らを足止めしながら、後衛が魔法を撃ってくるのを待つ。


「【ファイアバレット】!」

「【サンダーボム】!」


 レキとセレナが次々と魔法を撃ってきた。


「【マナブースト】!」


 さらにマリエルが、それらの魔法に威力アップの僧侶魔法をかける。


 ブーストがかかった二人の魔法は【ブルーメタルゴーレム】の装甲を削っていき、やがて一体を撃破した。


 とはいえ、まだ数体残っている。


 俺はなおも残りのゴーレムたちを牽制し続けた。

 と、


「お、お前、たった一人で――」


 背後でアッシュが驚いたような声を上げた。


「なんだ、その動き……本当に人間かよ……!?」


 ドリンも同じく驚いている。


 ん? そんなに早く動いたつもりはないんだけど――。


 正直、俺にはまだ余力がある。


 全速で動いた場合、相手がそのスピードに慣れてくると対処しづらくなる。


 だから、普段は速さをセーブし、いざというときだけ全速力を出しているのだ。


「俺一人で引きつけられそうだ。アッシュとドリンは何かあったときに備えてくれ!」


 俺は一人で動き回りながら、彼らに言った。


 まあ正直に言うと……彼らの実力では、ちょっと付いていけないかもしれないと思い、なるべく角が立たないように言ったんだけど。


「……すまん」


 自分たちが足手まといだと悟ったのか、アッシュが申し訳なさそうな様子になった。


 ドリンも同じだ。


 俺はそれを横目で見つつ、親指を立て、『大丈夫だ』というサインを送った。


 さあ、残りを全滅させるまで、俺がゴーレムを引き付けてやる――。

 と、


「ふふふ、もっと強力な一撃をお見舞いして上げますね……!」


 後方からレキの声が聞こえる。


 なんだか、様子が少し違うが――?

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敵国で最強の黒騎士皇子に転生した僕は、美しい姉皇女に溺愛され、五種の魔眼で戦場を無双する。


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