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117 圧倒

「いくぜ、【音速斬撃・霧雨弐式(きりさめにしき)】!」


 ミラが高速移動から二本の剣で合計十二の連撃を繰り出す。


「ぐおおおっ……!?」


 相手の魔族は耐えきれずに押し込まれ、そのまま武闘場の外まで落ちた。


「へっ、ゼルにばっかり活躍させねーよ!」


 さらに、


「【体当たり】!」


 狼の獣人に変身したバロールが、そのパワーを活かして別の魔族を吹き飛ばす。


 カザオトもその剣技で魔族を一体、武闘場から落とし、ラヴィニア隊長は必殺の【石化】で残る二体を戦闘不能にした。


「ふうっ、これで最後のチームも撃破ね」


 と、ラヴィニア隊長。


 一回戦、俺たちは三つのチームを立て続けに倒し、圧倒的な強さを見せつける形で勝利を決めた。




 さらに二回戦、準決勝も危なげなく勝ち進み――。




「いよいよ決勝戦よ」


 ラヴィニア隊長が言った。


 ここまでの三試合の疲労があるため、インターバルが一時間設定されている。


 つまり、今から一時間後に決勝戦が行われる。


 俺たち以外にも、同じように勝ち抜いて来た強豪部隊が3つ。


 合計4部隊でこの対抗戦の優勝チームを決めるわけだ。


 そういえば、魔王から褒美が出るんだよな。


 何がもらえるんだろう?


 まあ、今は決勝戦に集中しなきゃいけないな……。


 ここまで来たら、絶対優勝してやるぞ!

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敵国で最強の黒騎士皇子に転生した僕は、美しい姉皇女に溺愛され、五種の魔眼で戦場を無双する。


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