115 対抗戦、ついに始まる
「第一騎士団2番隊、第三騎士団4番隊、第六騎士団1番隊、そして私たち第七騎士団3番隊――これが一回戦のカードよ」
「第六騎士団は1番隊ってことは、騎士団長クラスが出場するんですか?」
ラヴィニア隊長の説明に、俺が問いかけた。
「いえ、副団長はいるけど、団長はいないわね。現在は負傷療養中ということよ」
「なるほど……」
「とはいえ、今回のメンバーで副団長以上の魔族がいるのは、この第六騎士団1番隊のみ。ここが三チームの中で一番の強敵になると思うわ」
「戦術としては、そこを避けるか、あるいは真っ先に落としに行くか――」
バロールがうなった。
「拙者はただ戦うのみ。あまり戦略を考えるのは得意でないゆえ、ラヴィニア隊長に従おう」
と、カザオト。
「あ、俺も俺も。戦うしか取り柄がないし」
ミラが手を挙げた。
「私としては、最初に第三騎士団4番隊を落とすべきだと思うの」
ラヴィニア隊長が言った。
「他の三チームの中で、おそらく一番力量が劣るのがそのチームだからよ。ついに第一騎士団2番隊、最後に第六騎士団1番隊……弱い順から落としていきましょう」
「もし、他のチームから狙われたら?」
俺が質問すると、
「その場合、逃げ切れるなら逃げて、無理なら交戦よ。どうかしら?」
「俺はいいと思います」
「同じく。私もそれでよいかと」
うなずくバロール。
「俺は隊長に従うぜ」
「拙者も異存なし」
ミラとカザオトが言った。
「じゃあ、決まりね。がんばりましょう」
ラヴィニア隊長がにっこりと笑う。
相変わらず花のように美しく可憐な笑顔だった。
俺はボーッと見とれてしまった。
そして、いよいよ俺たちの出番が来た。
「やるぞ――」
闘志が燃え上がるのを感じる。
さっきまでの緊張感がみるみる解けていく。
事実上、俺にとって初めての集団対集団といっていい戦い。
この戦いで俺は何かをつかみ取り、必ずさらに一段階上の強さへと駆け上がってみせる――。
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