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113/121

113 対抗戦当日

 そして――。


 いよいよ魔王軍部隊別対抗戦の本番の日がやって来た。


 参加する部隊は戦績上位の64チーム。


 それらが4チームずつのバトルロイヤルを行い、勝ち残った16チームがまた4チームずつのバトルロイヤルをする。


 そうして最後に残った4チームで決勝のバトルロイヤルを行い、最後に残った1チームが優勝である。


 要は――『4チームでのバトルロイヤル』を3回勝ち抜けば優勝ということだ。


 当然1回目より2回目、そして最後に向かうにつれて対戦相手はより強くなっていく。


「どこまで行けるか――」


 俺は期待と不安が同時にこみ上げるような緊張感に包まれていた。


 前世では運動部系の部活をやったことがなかったけど、たぶん運動部の人たちは大会の時にこういう感覚だったんじゃないだろうか。


「勝つぜ」


 ミラが威勢よく言った。


「俺たちの部隊が最強だって証明してやる」

「当然、狙うはナンバーワンだけだ」


 と、バロール。


「勝ち残るのみ。それしか考えてござらぬ」


 カザオトが淡々と言った。


「もちろん結果は大事よ。でもそれと同時に、各人が今やれることをやり切ること。そして、その先に――今以上の強さを身に付けること。いいわね?」


 ラヴィニア隊長が俺たちを諭す。


「といっても、結果はもちろん目指すけどね。一番いい結果を」

「優勝――」


 俺はゴクリと息を飲んだ。


「この五人で優勝しよう、みんな」


 ラヴィニア隊長、ミラ、バロール、カザオトを順番に見回し、俺は言った。


「この五人ならきっと勝てる!」


 と、


「なかなか威勢がいいじゃねーか」


 一人の青年が歩み寄ってきた。


「お前は……!」


 赤い髪をした野性的な雰囲気。


 整ってはいるが、美しいという印象よりも攻撃的という印象がはるかに勝る。


 魔界最強と謳われる騎士団長の一人――。


「第五騎士団団長のルイン・バルガス。お前とラヴィニア以外とは初めまして、だな」

「……お前も出場するのか」

「当然だ。我らが第五騎士団1番隊こそが魔界最強部隊だと知らしめないとな」

「1番隊――」

「各騎士団の1番隊は軒並み参加してるぜ。まずはそいつらに割って入らないと、な」


 ルインが笑った。


「お前との再戦――楽しみにしてるからな」

「……分かった。あのときより強くなった俺を見せてやるよ」

「じゃあ、俺も今度は本気でやらせてもらおうかな?」


 ルインの笑みが深くなる。


 今度は、本気で――。


 そう、以前に戦ったとき、ルインはあくまでも小手調べとして俺と戦ったに過ぎない。


 けれど、今回は『本気』のルインと対峙できるかもしれない。


 俺の強さが、試される時だ――。




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敵国で最強の黒騎士皇子に転生した僕は、美しい姉皇女に溺愛され、五種の魔眼で戦場を無双する。


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