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103 魔族の剣士VS魔族のサムライ2(カザオト視点)

「君が俺の【バーストアロー】を誘っているなら――受けてやる!」


 ゼルが投げナイフを手に走り出した。


 ここから【突進】や【投擲】などの複数のスキルを併用し、爆発的な威力を生み出す遠距離攻撃用複合スキル――【バーストアロー】。


 その威力はカザオトも知っている。


 今まで直接見たことはなくても、話に聞くだけで、そのおおよその威力は理解できた。


 その脅威も。


 だがそれを凌ぎ、彼が攻撃直後に硬直する隙を付ければ――カザオトにも勝機がある。


「ゼル殿、あなたに勝ち、拙者はさらなる強さを手に入れる」


 カザオトはゼルの動きを注視する。


 彼が求める強さ――。


 それは、過去を乗り越えるための力だ。


 かつて失った祖国。


 そして最愛の友と憧れの姫。


 それを奪った憎むべき仇――。


「奴を斬るために」


 脳裏にナシェルの顔が浮かんだ。


「【バーストアロー】!」


 次の瞬間、ゼルが投げナイフを放った。


 ごうっ!


 衝撃波を放ちながら、一直線に向かってくる投げナイフ。


「ゼル殿、あなたは強い――だが、勝つのは拙者でござる」


 ゼルの能力は圧倒的だ。


 とても下級魔族【デモンブレイダー】とは信じられないほどの身体能力と剣の技、そして強力に磨き上げられたスキルの数々。


 さらに彼独自の技術である【コンボスキル】まで習得している。


 仮にゼルと剣で打ちあえば、とても太刀打ちできないだろう。


 が、遠距離という間合いに限れば、こちらに分がある。


 彼の遠距離攻撃手段は投げナイフによる一撃のみ。


 強力な攻撃ではあるが、軌道が直線的で読みやすい。


 カザオトのスキル【明鏡止水】の前では、たとえ100発撃たれても、彼に当たることはない――。


 ざくざくざくざくっ……!


 カザオトは地面を深くえぐるような深く鋭いステップを刻みながら、飛んでくるナイフを避けた。


「その動きは……!?」

「【疾風雷神(しっぷうらいじん)】奥義が一つ、【雷燕(らいえん)の歩法】――」


 まさしくジグザグに鋭く落ちてくる雷のごとき高速歩法で、カザオトはゼルを幻惑する。


 さらに複雑なステップを続け、ゼルを幻惑するカザオト。


「さあ、今度はこちらの番……これが避けられるか、ゼル殿!」


 刀を大きく振りかぶった。


 ゼルはまだ幻惑されているはずだ。


 動きを読ませず、一方的に勝つ――。


「【疾風の太刀】!」

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敵国で最強の黒騎士皇子に転生した僕は、美しい姉皇女に溺愛され、五種の魔眼で戦場を無双する。


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