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才女は体力不足

 ノア王国の四季は日本と同じである。

 1年間を通して春夏秋冬のサイクルで季節が回り、秋は紅葉、冬は真白の雪などが見れる。

 

 日本と比べ雪が毎年必ず降る。

 

 今は冬と春の間。

 今日は日差しが差し込み冷たい風が体に吹き付けるが真冬ほど寒くない。

 運動するにはもってこいだろう。


 




「はぁ……はぁ……はぁじ…じぬぅ」

「いや、イヴさんや、まだ軽く走って30秒も経ってないんだけど?」


 体力なさすぎだろ。

 ご褒美があると張り切り「レイくん、私頑張るよ」と目を輝かせていたイヴ。

 そんな彼女は全身汗びっシャリ、しかも荒い呼吸。

 両手を膝につき肩で息をしている。


「だから歩くだけでいいって言ったのに」

「はぁ…はぁ…はぁ……う、うぷ」

「ああ、ここで吐かないの!この中にして!」


 イヴが吐く寸前だったので急ぎ土魔法で容器を作り、イヴの口の前に持っていく。

 だがイヴは口に出かけたそれを……飲み込んだ。え、何やってんの。


「いや、体に悪いからなんで我慢するの」

「……レイくん……これには理由があるんだよ」


 呼吸を整え終わったイヴは顔を見上げる。

 理由?なんかあるのか?

 顔が少し真っ青の彼女は何故か俺の目を見てキメ顔をする。


「ワタシは……ゲロインにはならない」

「いや、何そのプライド、体悪くしたらどうするの!」

「ワタシにだって乙女のプライドがある」

「カッコつけるところ申し訳ないけど、そんなプライド捨てちまえよ」


 妙なプライド……はぁ、イヴなりのこだわりか、

 あまり口出ししない方が良さそうだな。

 とりあえず、コップを土魔法で作り水を入れる。


「そこのベンチで少し休憩しようか。少しずつ5分かけて飲んで」

「……うん」


 ベンチに腰掛けコップを渡す。

 チビチビと飲み終える。


「呼吸整ったし、少し歩こうか」

「……え?もう十分運動したよ?」

「いや、まだ30秒も動いてないからね?」


 その後20分くらいゆっくりと歩いて家に戻った。


 



「ふひゃぁ……気持ちか」


 ウォーキングを終えるとすぐに足をアイシングをする。イヴはくつろいでいる。

 サイキック魔法でイヴを持ち上げる氷魔法で冷やしタオルを作り体を冷やす。


「……レイくん、寒い」

「もう少し待って」


 初めは気持ちよかったが時間が経つと寒いらしい。でも、アイシングは15分ほどが理想だ。

 

「……よし、終わった」

「早くお風呂入りたい」

「まだ、ストレッチするんだよ」

「えぇ……面倒臭い」

「明日筋肉痛になりたくないでしょ?少しはマシになるよ?」

「え?……筋肉痛……わかった」


 渋々イヴは承知した。やはり痛いのは嫌なんだな。


「……やろうね」

「うん」


 まずは深呼吸から。


「大きく吸って……吐いて……」

「……腕が上がらない」

「疲れたんだね」


 イヴの後ろに移動して両手を持ってあげるとゆっくりと上に上げてあげる。


「吸ってぇ……はいてぇ」


 深呼吸、全身の伸びる運動する。その後は股関節のストレッチ、膝の屈伸ストレッチ、アキレス腱のストレッチ、肩まわりのストレッチ、手首のストレッチ、首のストレッチなど順番に……ほぼ俺が補助をしながら全身を伸ばしていく。


「少しお風呂入ろうか」

「……レイくん運んでぇ」


 湯船で疲れた体を温める。

 ……本当に疲れた時何もしようとしないんだよなぁ。

 

「よっこいしょっと」

「……レイくん、なんで抱えるの?お姫様抱っこがいい」

「注文が多いようで」


 横に抱えて持ったが、イヴはお姫様だっこがご所望のようだった。

 イヴを両手だ持ち変えて風呂場に向かう。


 服を脱がせ体を洗い湯船に浸からせる。

 

「ふはぁぁぁ」

「ごゆっくり」


 くつろいで20分間ほど浸からせてお風呂を出る。

 その後イヴをベッドへ運び、全身マッサージでほぐす。

 

「ふひゃぁ、最高」

「なら、よかったよ。……イヴ、再試は大丈夫そう?」

「うん」

「油断しないでよ?絶対名前書くんだよ」

「ういー」


 本当にわかっているのだろうか?

 完全にくつろいでる。


「頼むよイヴ。これで留年なんてことになったら俺たちの婚約も危ういんだからね。嫌だよ婚約破棄なんて」

「……どゆ…こと?」


 イヴの顔の筋肉が緩んでいるので、無気力な反応。

 

「いや、イヴのにいちゃんが言ってたじゃん、まだ仮初の婚約だって」

「……なに…それ」


 え、何その反応。

 いや、だってイヴもあの場で了承を……。


「まさかイヴ覚えてないの?」

「……うん?」

「婚約者になったことは覚えてたのに?」

「いつのまにか婚約してた」

「それいつ知ったの?」

「おにい様からの手紙」


 つまりあの大惨事を覚えてないと。

 最初から出来事を覚えてないと。


 こりゃ、話しておいた方がいいな。


「いいかイヴ、俺とお前の婚約関係はあくまで条件付きの仮の関係だ」

「……うそ。レイくん私のこと嫌いになっちゃったの?」

「いや、だから悲しそうな顔しないの違うから。一応何があったか一から説明するから」


 俺はマッサージをしながら話し始めた。

 


最後まで読んでくださりありがとうございました。


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら差支えなければブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントはモチベーションになります。


よろしくお願いいたします。

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