表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/23

幽霊おっちゃん

 懐かしく感じつつ。


 小学校の頃、思い出に幽霊おっちゃんがある。

 かつてお城があった廃城の石段にところに座り、子どもたちに幽霊話を聞かせるおっちゃんである。

 なので、まんま幽霊おっちゃんという名が自然とついた。

 子どもたちは帰り道に、おっちゃんの話が聞きたくて、お城の階段をのぼる。

 最上段の近くの石段におっちゃんは座り、とっておきの幽霊話を聞かせてくれるのだ。


 今日も幽霊話を聞かせ、階段上から手を振るおっちゃん。

 家へ帰る子どもたちは石段を降りながら手を振り返す。


 夏のあつーい時期だけ、幽霊おっちゃんは階段にいて、子どもたちが来るのを待っている。

 黄昏時、夕日に染まる頃合いになると、寂し気な顔を見せ、おっちゃんは話を終える。


「さあ、今日はここまで、また明日」


 と、子どもたちを家路へと促す。

 みんなの姿が消えるまで、手を振り続けるおっちゃん。


 夜の帳がおり、幽霊おっちゃんは、ゆっくりと石段から立ち上がる。


「さてと」


 階段をのぼりきると高台になっていて、真ん中には、かろうじて城の礎石が残っている。

 おっちゃんの身体は青白く薄くなり、城跡へと消えて行った。


「また、明日」

 


 書きました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ