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宿願復活
時代設定は違いますが、源平討魔伝を思いだしまして・・・。
まだ・・・死ねない。
戦国時代。
大きな戦で敗れた何某は、地獄を駆け抜けていた。
願うはただひとつ、現世へと戻り、大望を果たす事、すなわち復活を遂げ、負け戦を勝利に導く事のみであった。
そのためには、なにもかも捨ててもいい。
どんな艱難辛苦七難八苦にあっても構わない。
我を生き返らせよ。
地獄を食らってでも、我は生き返る。
襲いかかる鬼どもを何某は蹴散らす。
邪魔する者は、誰であろうと容赦はしない。
とある鬼を半殺しにして聞き出した、黄泉平坂を登り切れば現世があると・・・。
この怒り続く限り。
魂の限り。
刀を振り続ける。
幾千、幾万の鬼が来ようとも諦めない。
黄泉平坂をのぼる。
走りを止めない。
あくなき執念が何某の身体を動かす。
坂をのぼる。
眩しき光が先にある。
あの向こうが現世。
何某は光りの先へと踏み出す。
しかし・・・。
身体が粉のように散っていく。
馬鹿な・・・馬鹿な・・・。
ふっと自嘲する。
そうか・・・そうかと。
こういうオチもありかなと。




