表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3.11 彼女は叫ぶ  作者: 海那 白
2/6

2、 2011年3月11日

 これは、私が6歳のころの話である。

 3月11日は私の誕生日で、その日は近くの遊園地に家族みんなで遊びに行く予定だった。

 お母さん、お父さん、お姉ちゃん、それと私。

 みんなが笑顔で幸せな日、になる予定だった。

 土日だから遊園地は混むだろうと、朝早くから起きて家族みんなで準備していた。

 そのときだった。


 急に、床がぐわんぐわん動き始めた。

 よたよたして、立っていられなかった。

 近くにあったタンスもぐらぐらしてて、怖かった。

 怖くて、涙が出てきた。

 そしたら、お母さんが私の上に被さってきた。

 私を抱きしめて、守るように。

 最初は、お母さんの手が暖かくて少し安心した。

 でも、すぐにぐらぐらしてたタンスが倒れてきた。

 倒れてきた場所が悪く、ちょうどタンスの角がお母さんの頭にあたり、お母さんはタンスに押しつぶされた。

 私はお母さんのおかげで大丈夫だったけど、お母さんの頭からは赤い血がどばどば流れてて、お母さんは少し冷たくなっていた。

 お母さんの頭の片隅から、なんかぶよぶよしたものが見えてしまった。

 それが何なのかはわからないけど、いつもの温かいお母さんが暖かくなくなっちゃったことがショックで、また泣き出した。

 そこからはもうほとんど覚えてない。


 気づいたら揺れは収まっていて、家がなくなっていた。

 私は何かの板に運良く守られて、生きていたらしかった。

 お姉ちゃんが助けてくれて、手を引いて私を小学校まで連れてってくれた。お母さんはショックだけど、お姉ちゃんは暖かかった。




 しばらくしてあまり揺れなくなったころ、私とお姉ちゃんの親戚とかいう人が小学校に来た。

 その人たちから言われた。


 お母さんとお父さんはもういなくなっちゃったんだって。

 だから、唯一の親戚のその人の家に住むしかないんだって。


 その人たちは、嫌な顔してて怖かった。

 でも、まわりにいたおじいちゃんとかが「よかったねぇ」って言ってたから、これはいいことなのかなって思ってた。

 そうして私はお姉ちゃんと一緒に、その親戚の人の家がある遠くにお引越しした。

 これが、悪夢の始まりとはまだ知らなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ