桃ずきんちゃん
久々の童話です。宜しくお願い致します!
(*´д`*)
むかしむかし、あるところに、お爺さんとお婆さんが同居しておりました。
お爺さんは芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行きました。
お婆さんが川辺のコインランドリーで洗濯をしていると、川上から大きなマッチがドンブラコ、ドンブラコと流れてきました。
「──!?」
お婆さんは驚き腰を抜かしましたが、気合いで治して大きなマッチを家に持ち帰りました。
お爺さんが大きなマッチを割ると、中から幸の薄そうな少女が現れました。二人は少女に桃ずきんと名付け、少女は鬼ヶ島へマッチ売りに出掛けました。
「マッチは要りませんか?」
少女が犬、猿、キジにマッチをすすめますが、誰もピンと来ずにスルーされてしまいました。
「嗚呼……誰も買ってくれないのね…………」
少女は打ち拉がれながらも、鬼ヶ島へと辿り着きました。
「マッチ……マッチは要りませんか……?」
鬼達が少女の登場に困惑し、誰もが「お前が買ってやれよ」と肘で擦り合いを始めました。しかし誰もマッチを買う者は居りません。ついに少女は泣き出してしまいました。
「もう、やだ……帰りたい……」
鬼達はどうして良いのか分からず、無言の合図でライターや火炎放射器、コンロを海へと投げ捨てました。
「マッチ下さい! 火を点ける物が無くて困っていたんだ……!」
鬼達の懸命な呼び掛けに、少女が顔をあげました。
「ほんと? マッチ買ってくれるの?」
桃ずきんは喜び、鬼達は文明の代わりに使い捨てのマッチを手にしました。マッチが売れて金銀財宝で埋め尽くされた手提げのかごを抱え、桃ずきんはお爺さんとお婆さんが待つ家へと帰りました。
「ただいま! マッチ売れたよ!」
こうして、桃ずきんは末永く幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。