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リコル

 カイが連れて行かれた。




 私の大切なカイ。

 一緒に森の小さな集落で暮らしていた。

 ぽつりぽつりとしか家は無い、それも廃屋ばかり。

 集落と言えないかも知れない、廃村かも。


 カイとの出会いは町外れだった。

 お互いみすぼらしかった。


 私は目が見えない。

 いや、実際は光と影は見える。全盲とは言わないらしい。

 子供の頃に目が悪くなる何かが有った。

 人の顔を見た記憶は有るのだ。今はだめだ。


 家族は居ない。

 世話してくれる者も居ない。

 小さな頃は同情で女達が何かくれたが、大きくなると睨まれるようになった。

 代わりに男が寄って来るようになった。いつも逃げた、逃げ切れないけど。


 もう何度も男に襲われた。

 子供が何度か出来たが、皆流れた。その方が子供には幸せだろう、ここは地獄だから。

 もう随分前だが、酷い男のせいで股がおかしくなってしまった。

 襲うだけでなく、変な体勢をさせられてそれ以来マトモに歩けなくなった。

 常に片足を引き歩く。


 仕事なんて滅多に無い。

 ほぼ乞食だ。

 身体を洗わないのは男避けだ。

 男は恐いし、女には罵られる。子供に石を投げられるのはよくあること。

 助平が触ったお返しになにかくれればいい方だ。






 カイは初めて心を許した男。私に小さな幸せをくれた人。

 彼は優しかった。

 彼は辛そうだった。

 いつの間にか二人で歩くようになった。

 歩くだけだ。それだけで満足だ。



 ふたりで森にひっそり住む事にした。森では物乞いが出来ないが、男に襲われ難い。

 どの道、私達は町に家など持てなかった。


 彼は言った。

 恋人を取られたこと。

 もう会ってはいけないこと。

 聖都で酷い目にあったこと。

 その時男性器を潰されて駄目になった事。

 思い出の有る故郷には帰らない事。

 


 私達は一緒に暮らした。

 彼は私の身体を求めなかった。身体の事情もあるし、私の心の傷を解ってくれてる。

 ただ一緒に暮らし、食べ物を分け合って食べる。それで良かった。




 だがそれはやって来た。



 強引な男達が現れてカイを出せと言って来たのだ。

 誰かが私達の事を教えたらしい。知ってる者は殆んど居ない筈だったのに。


 誰が渡すものか!

 ほっといてくれ!


 運悪くそこにカイが帰って来た!

 当然カイは聖都など行くものかと大声を出した。

 当然だ。行く訳が無い!

 抵抗するカイの為に私も男達に飛びかかった。

 絶対にカイを渡さない!





 だが、カイは散々殴られ蹴られ、動かなくなった所を縛られた。


 私は縛られたカイの横で縛られたまま襲われた。

 昔とは違う!カイ以外に触らせたく無い!

 暴れる私は動けなくなるまで殴り蹴られた。





 動けなくなった私はいいおもちゃだった。







 カイは連れ去られた。


 何かで縛られ地面にうずくまったまま泣いた。カイを追うことも出来ない。

 カイとの別れに泣いた。


 


 もう会えない・・・・・・

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― 新着の感想 ―
[一言] 死に晒せ糞共
[良い点] 世界滅亡のカウントダウン待ったなし [気になる点] 全部知ったうえで神託を出したような 希望与えて絶望に叩き落す 神様のやりそうな手口
[一言] こんなやつらを助けろとは女神もイカれてるよね。
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