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女神の言葉

「我が愛する子供達よ良く聞け」



 神殿の鐘が朝を知らせた時に女神が現れた。


 女官の身体に女神が入り、我は女神であると宣言した。

 そこに5人程の神官が居たが、誰もが女神を初めて見る。

 だが、皆信じた。

 女官の身体は宙に浮き、神官達を見下ろしていたし、知ってる筈のそばかす顔ではなく、つるりとした女神らしい顔だったから。髪まで倍に伸びたらもう信じるしか無い。しかも、金色の光を放っている。


 大慌てで神殿の役付きが呼ばれ、騎士団の偉い人まで呼ばれた。王は居なかったが王族は何人かいた。


 なんだかんだで20人程を見下ろしながら女神は言った。



「もうすぐ、そう30日後に大地が割れる。魔の仕業である。

 だが、安心して欲しい。

 こんな事もあろうかと、15年前に妾は心の美しい子供達2人に神の力を与えておいた。今頃は立派になり、魔の力を退け大地を割らずにつなぎ止める力を付けているであろう。2人の心と力が合わされば世界は救われる」


「女神様。本当でしょうか?」


「本当だ。今日からきっかり30日後に大地は割れる。割れたなら誰も助からない。

 心配するでない。心の美しい愛し合う2人の子供に力を託した。今頃は立派になっているであろう」


「その者達の名は?」


「東の山頂湖の村に住む『カイ・リーリド』と『サーシャ・ダゾン』である。今年19歳の2人だ。


「心を合わせるとは結婚するということでしょうか?」


「結婚はあくまで行事に過ぎない。大切なことは互いに信じあい慈しむ心。すなわち愛情」


「ははー。女神様の加護を有り難く想います」


「この者達に愛の結晶が産まれたならば世界の守護者としての力を持って産まれて来る筈だ。では頼んだぞ」








 そう言うと、宙に浮いてた女官はすーっと、床に降り、ぺたんと座り込んでしまった。

 もう、何所から見てもいつもの彼女だ。女神が抜けてしまったのだ。

 彼女は覚えていた。この朝の出来事を。不思議な体験を。


 神殿は大騒ぎになった!

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