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ケセラセラ  作者: ソーダ
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 物語を紡ぐにあたって重要なのは、いかにして矛盾を防ぐか、あるいは設定を遵守するか、ということだと私は思っている。どんなに話が面白くても、設定がたった一つ破綻するだけで全てが台無しになるからである。例をあげてみよう。



 異世界に導かれた日本人男性がいたとする。この男性は正義感が強く、困っている人を見つけると手を指し伸ばさずにはいられないお人好しで、自分の身を削ってでも他人を助けたいと思っている変態だ。そんな男が手に入れた能力は、自爆と蘇生。力が異端すぎたこの男は、神によって神域に招かれることになった。安全な地で力を制御するための特訓をここでしろ、ということだ。


 その特訓は凄まじいものになった。能力が自爆だから当然なのだが、主人公は痛覚を遮断するような力は持っていない。よって、激痛という言葉が生ぬるいと感じるほどの痛みを味わいながら、自爆している。そして、蘇生という能力によって元に戻るのだ。ちなみに、蘇生する時も痛みがある。


 持ち前の信条を発揮し、地獄にいる獄卒すら一目散に逃げだしそうな特訓を終えた主人公は、神域でちょっとした模擬戦を行うことになった。主な目的は戦いに慣れることだ。特訓をするなかで仲良くなった脇役Aを味方にし、いざ始めようとするそのとき、脇役Aが冗談を言った。そして主人公はツッコミをいれた。全力で。


 脇役Aは死んだ。


 が、すぐに復活した。模擬戦とはいえ万が一の事態に備え、神の権能により死んでも即復活できる場が用意されていたのだ。復活する際に痛みは伴わない。その後は真面目に模擬戦を行い、成果は上々ということで、主人公は晴れて地上におりて神から託された使命を果たすため、各地の困っている人々を助けながら旅をしたのだった。



 さて、前提が長くなってしまったが、矛盾した場所がどこだか分かるだろうか。これが分からないなら小説なんて書かない方がいいだろう。悪いことは言わないので読み専に徹してくれ。


 では、誰でも分かるはずなので正解をいうと、他人を助けることを至上命題としている主人公が、復活するとはいえ仲間をさっくりと殺した、という部分にあたる。それだけではない。殺しても蘇るから殺しても問題ない、という思考も主人公にはあったから余計におかしいのだ。まるでどこぞの野菜人のような発想だが、そもそもこの主人公は他人が傷つくところなんて見たくない、という性格をしている。そして、他人が傷つくくらいなら代わりに自分が! とも。


 初期で説明された主人公の性格と、後から出てきた主人公の性格に食い違いが発生している。つまり、矛盾しているのだ。そして破綻した物語を読んでしまった普通の読み手は、そっと離れるのだ。大抵は。



 このように、どんなに話が面白くても、設定が一つ破綻しているだけで物語というのは簡単に崩壊する。崩壊した物語を読みたいと思う人間は、まずいない。上記の例でいうなら、生き返るから殺しても問題ないと考えるサイコパスの主人公が、他人が傷つくくらいなら自分の身を削ってでも人助けをするという信条をもって旅をする、という意味不明な展開になるからだ。


 そんな物語、面白いだろうか。

 頭の中にひっかかりが無数に発生した状態で読む物語が。

 私は当然、崩壊した物語など読みはしない。


 なぜならそれは、物語ではないからだ。

矛盾した設定のまま放置されている小説のようなナニカは、わりと沢山存在する。見つける度に突っ込みを入れるが、素直に修正してくれる書き手というのは存外少ない。なろう界、殺伐としすぎ。まなーやもらるはどうしたんだと小一時間。


あと、これも一応は矛盾した設定、ということになると思うのだが、登場人物の名前についてだ。人名を間違える書き手というのも多くいるし、うっかり間違えてしまうのも分からなくもないのだが、これだけは素早く修正していただきたいものである。


これは、威力が凄まじいのだ。

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